1989 Fiscal Year Annual Research Report
焼結ダイヤモンド埋込型アンビルの試作の超高圧高温の発生
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01840029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
赤荻 正樹 金沢大学, 理学部, 助教授 (30126560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 宏 学習院大学, 理学部, 教授 (80080464)
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Keywords | 超高圧 / 相転移 / 高温高圧実験 / アンビル |
Research Abstract |
本年度は、まず第一に超高圧実験に用いる700トン-軸圧縮プレスを設計し、その製作を泉陽株式会社に依頼した。この装置に、試作した新型ブリジマンアンビルを組み込み、高圧発生実験が行われ、プレスが所期の性能を有することを確認した。第二に、このプレスが納入される前に新型ブルジマンアンビルを用いて、当教室既設の200トン一軸圧縮プレスにより高圧発生及び高温高圧発生実験が行われた。このブリジマンアンビルは超硬合金アンビルの中央部にダイヤモンド焼結体を埋め込んだ構造をしており、アンビル先端の直径は26mmである。このアンビルによって、ZnS(15.5GPa)とGaAs(18.3GPa)の絶縁体-金属転移を室温で検出した。従来から使用されてきた超硬合金だけから成るブリジマンアンビル(先端径は同一)ではGaAsの転移は全く報告されておらず、今回の実験で最も高い圧力が発生されたことが確認された。これは、超硬合金よりも硬い焼結ダイヤモンドをアンビル中央部に用いたことによる。 一般に室温での圧力値と高温での圧力値は、アンビルにかかる荷重が同一であっても異なることが多い。そのため高温における圧力較正の方法の確立が、精度の高い高温高圧実験のためには、不可欠となってくる。本年度は、この考えに立って、熱力学計算に基づく相境界線を高温での圧力スチ-ルとして用いるための研究を行った。ZnSiO_3の輝石-イルメナイト転移及びNi_2SiO_4スピネルのNiOをステイショバイトの分解反応に関して、これらの転移エンタルピ-を測定した。そのデ-タに基づいて、これらの相境界線が熱力学的に計算され、前者はP(GPa)=8.9+1.7×10^<-3>T(K)、後者はP(GPa)=17.6-6.3×^<-4>T(K)を決定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akaogi,M.: "The olivine-modified spinel-spinel transitions in the system Mg_2SiO_4-Fe_2SiO_4:calorimetric measurements,ther-mochemical calculation and geophysical application." J.Geophts.Res.94. 15671-15685 (1989)
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[Publications] McMillan,P.: "Cation disorder in garnets along the Mg_3Al_2Si_3O_<12>-Mg_4Si_4O_<12> join:an infrared,Raman and NMR study." Phys.Chem.Minerals. 16. 428-435 (1989)
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[Publications] Akaogi,M.: "The ZnSiO_3 clinopyroxene-ilmenite transition:heat capa-city,enthalpy of transition,and phase equilibria." Phys.Chem.Minerals. 17. 17-23 (1990)
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[Publications] Akaogi,M.: "Thermodynamics and stability relations of mantle minerals" Dynamic Processes of Material Transport and Transformation in the Earth's Interior(Terra Scientific Publishing Co.). (1990)