1989 Fiscal Year Annual Research Report
原子直視電子線ホログラフィ顕微鏡用0.1μm極細線電子線バイプリズムの試作
Project/Area Number |
01850008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 久満 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20027907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 嘉晏 日本電子(株), EO技術本部・研究開発部, 部長
大野 恭秀 新日鉄(株), 第一技術研究所, 主任研究員
坪川 純之 大阪大学, 工学部, 教務員 (40175469)
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
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Keywords | 電子線ホログラフィ- / 白金極細フィラメント / 加熱清浄型電子線バイプリズム / 原子直視分析電子顕微鏡 / 原子直視ホログラフィ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は直径0.3μm以下の極細線バイプリズムを開発するとともにこれを加速電圧400kVの原子直視電子顕微鏡に取りつけて、原子直視ホログラフィ-電子顕微鏡を実現することを目的としている。電子線ホログラフィ-を加速電圧400kVの電子顕微鏡に応用するのは本研究が最初であるためまず予備実験を行った。実際に観察してみると蛍光板の感度が低下しており、正焦点位置の決定が大変困難であることが分かった。これを解決するためには高感度、高分解能TVカメラシステムを導入することが不可欠となったためこれを導入すると共に、400kV用バイプリズムホルダ-についてはこれを自作により開発した。これに直径0.6と0.3μmの白金極細線を張り加速電圧400kVで安定して電子線ホログラムが得られることを確認した。これにより所期の目的の第1段階を完了できたが、同時に以下のような問題点も明らかになった。直径0.3μmの極細線をバイプリズム用のフィラメントとしてホルダ-に取りつけることが極めて困難であった。これは極細線の直径が可視光線の波長よりも短く極めて細いものであることに起因している。従って、この取りつけ作業を肉眼でクリア-に確認しながら進めることが困難なため、張られたバイプリズムフィラメントはたるみが充分に取り除かれていなかったものと思われる。これの改善策を検討する必要がある。 応用研究としてはGaAs結晶表面に現れた欠陥の電子線ホログラムを観察し解析した。また、よりコヒ-レンス度の高い電子線源を得るための基礎実験としてLaB_6単結晶陰極を熱電界放射領域で動作させたときのエミッション特性についても検討を行った。
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