1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
真下 茂 熊本大学, 工学部, 助教授 (90128314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞廣 孟史 東芝タンガロイ, 研究部, 主査
山家 菱 東芝タンガロイ, 超高圧製品部, 部長
西田 稔 熊本大学, 工学部, 助教授 (90183540)
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Keywords | 遠心力 / 拡散 / 沈降 / 超高連回転 / 凝縮系物質 / 原子濃度 / 非平衡物質 / 材料プロセス |
Research Abstract |
気体中や液体中のマクロ粒子のものを除いて凝縮系物質中の遠心力による原子や分子の沈降拡散の研究は基礎研究もほとんど行われていないのが現状である。本研究は凝縮系物質中の原子や分子の拡散を高加速度場・高濃度で実現するために、これまでにない高い遠心力場を高温で発生できる遠心力拡散装置を試作し、新しい素材や素子の製造プロセス法を探ろうとするものである。平成2年度はこのために平成元年に引き続いて超高速回転装置の開発と拡散の理論解析を行った。理論面では筆者が提案した平均場近似法に基づいた多成分系の非線形沈降拡散理論を用いて、様々の原子・化学条件で二、三成分系の平衡状態の濃度と密度とその時間変化を詳しく計算した。その結果、達成できる濃度比は加速度場が大きくなると自己相互作用により一定値に近づくこと、原子容の比、絶対的な濃度比が小さいほど大きくなること、活動度係数が大きいほど拡散が遅くなるが拡散係数の交差効果が拡散の促進させ相殺すること、などの興味深い知見が得られた。実験装置では、平成元年度には高圧大風量のスクリュ-型コンプレッサ-を用いたエアタ-ビン型超高速回転装置の設計・製作を行い、常温圧縮空気を用いて10万rpm以上の超高速回転が実現できることを確認した。本装置で重要な部分である。軸受には長時間高回転高トルクに耐えられる高圧オイル軸受を採用した。そして、平成二年度は、直径が50mm程度のチタン合金製回転試料容器と外熱式の加熱装置および光ファイバ-を用いた回転計測装置を製作し、常温圧縮空気で15万rpm以上の回転を達成することに成功した。これによって試料容器に50万g以上の加速度場を実現したことになる。平成三年度は、さらに燃焼器を付加して圧縮空気の温度を上げ20万rpm以上の超高速回転を達成した上、二、三成分系材料を対象に300度C程度までの温度で拡散実験を行うことを予定している。
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Research Products
(1 results)