1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850025
|
Research Institution | Research Center for Advanced Science and Technology, University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾原 佳信 積水化成品工業(株), 中央研究所・セラミックス研究室, 研究員
稲葉 秀弘 (株)富士セラミックス, 生産部・生産二課, 研究員
志波 光晴 東京大学, 先端科学技術研究センター客員研究員, 助手
榎 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70201960)
武田 展雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10171646)
|
Keywords | AE原波形解析装置 / 高感度、低雑音インテグレ-ティッドAE変換子 / DSP分散処理 / DSPパイプライン処理 / 高分解能三次元位置標定 / 高速・大容量AE収録 |
Research Abstract |
高精度の位置標定を行うためには、検出特性が明らかで高感度かつ点接触型のAEセンサ-の開発が必要となる。本研究では、まず圧電素子の振動特性(共振特性)と圧電特性を解析し、さらに計測系における低信号伝送損失と低雑音化のための回路解析を行い、高感度・低雑音インテグレ-テッドAE変換子の開発を行った。この成果は、共同開発メ-カ-により市販品された。 AE原波形解析装置として、高速デ-タ収録装置は、8bit、20MHzサンプリングで変換子からの検出波形をA/D変換し、高速デ-タ処理部では、DSPを用いた各chごとの分散処理による波形パラメタ-抽出、およびDSPパイプライン処理による高速高精果位置標定により、パ-ソナルコンピュ-タをホストコンピュ-タとしながらでもリアルタイムでAEデ-タのグラフ素示を行いながら、同時に波形を収録するシステムを開発した。デ-タは、パ-ソナルコンピュ-タ上で後解析において雑音除去、原波形解析などが行われ、収録波形は大容量記憶装置(1GB)に転送される。その結果、デ-タ収録速度70事象/秒、最大収録事象数7000事象で、数百ミクロンオ-ダ-の三次元位置標定と割れのAE特性をリアルタイム表示し、後解析では、一事象当り一秒以下で高速原波形抽出が可能になった。この成果をもとに、共同開発メ-カ-から汎用タイプに改良した装置が今春に市販予定である。 これまでの本装置を用いた解析結果にでは、環境雑音信号の除去には波形の初動パタ-ンの組合せが有効であることが分かった。また、破壊機構の解析では、セラミックスの高精度位置標定結果として破壊起点の種類によりAE挙動が異なることが分かり、薄板積層複合材料(CFRP)では、放射形式の応用により、初動位相の組合せから割れモ-ドの識別が可能になり、破壊進展機構の解明など新たな分野へ応用が進んでいる。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Y、Fukunaga,M、Enoki,T、Kishi,J、Kihara: "Dynamic Green's Function of Finite Media by Finite Differnce Method" Journal of vibration and Acoustics. 112. 45-52 (1990)
-
[Publications] 志波 光晴、稲葉 秀弘、岸 輝雄: "高感度、低雑音インテグレ-ティッドAE変換子の開発" 非破壊検査. 39(5). 374-382 (1990)
-
[Publications] 奥野 晃康、志波 光晴、岸 輝雄: "AE計測によるベ-タアルミナの4点曲げ試験における破壊機構の解析" 日本セラミックス協家学術論文誌. 98(1). 98-103 (1990)
-
[Publications] Junji Takatsubo and Teruo Kishi: "Quantitative Acoustic Emission Source Characterization of Microcrackings in Steel" Res Nondestr Eval. 1. 219-233 (1990)
-
[Publications] 山出 善章,岸 輝雄: "ムライト4点曲げ試験における破壊起点のAE特性による評価" 日本セラミックス協会学術論文誌. 98(3). 273-79 (1990)
-
[Publications] T、Horiya,S、Mashino,T、Kishi and H、G、Suzuki: "Analysis of Fracture Mechanism of ELI Grade Tiー6AIー4V Alloy By AE Source Charaterization" SAMPE. 69-74 (1989)
-
[Publications] T、Kishi and M.Enoki: "Advances in Fracture Research" Pergamon Press, 7 (1990)
-
[Publications] Shigemi Mashino,Mitstuharu Shiwa and Teruo Kishi: "Progress in Acoustic Emission V" The Japanese Society for NonーDestructive Inspection, 7 (1990)