1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山浦 弘 東京工業大学, 工学部, 助手 (80210326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植本 浩紀 株式会社リコー, 生産技術研究所, 研究員
山本 浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (20220494)
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Keywords | エアスライダ- / 櫛形溝軸受面 / 高減衰 |
Research Abstract |
本年度は、前年度試作したアルミナセラミックス材を用いたエアスライダ-の平均軸受すきまを6〜8μmに微小化し、購入したマイクロセンス非接触微小変位計を用いて軸受特性を測定するとともに、減衰能をさらに向上できる軸受面形状を明らかにし、設計試作した。 1.試作したスライダ-は、溝深さの加工ばらつきのため、軸受4面のすきまが不均一となり、軸受特性が設計点からずれ剛性が設計値の約1/2に低下した。しかし、加工誤差を考慮すると理論値と実験値はほぼ一致する。 2.試作スライダ-は給気圧の高い領域において、理論解析結果と異なり静剛性に比べ動剛性の方が低くなること、また減衰は理論解析結果に比べ低くなることが明らかになった。この傾向は同様な軸受面構造を有するステンレス製のエアスピンドルとは著しく異なっており、軸受面の多孔質性により、従来知られていない流動メカニズムが成立していると考えられる。 3.軸受面を変化させて、減衰能をさらに高めることのできる軸受面形状を数値解析により求めた。その結果、軸受面周辺部に計4個の給気孔を設け、給気孔より櫛形に設けた溝により軸受面内に空気を供給する「櫛形溝軸受面」構造が有効であることを明らかにした。櫛形溝軸受面を有する60×60mmの矩形エアスライダ-では、1〜5kHzの共振点において減衰比ξ=0.17以上の減衰能が実現できる。 4.上記の数値解析に基づき、ξ=0.17以上が実現できる、60×60mmの「櫛形溝軸受面」4面からなるエアスライダ-を設計し、現在試作中である。なお上記2項のアルミナセラミックス製エアスライダ-の特性と比較するため軸受材料にステンレスを用いている。
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