1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850038
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
内野 研二 上智大学, 理工学部, 助教授 (00108226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任田 正之 日産自動車, 中央研究所・材料研究所, 主任
大西 一正 アルプス電気, 新潟事業部・長岡工場, 課長
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Keywords | 超音波リニアモ-タ / 振動子 / HIP / 積層型圧電体 / 楕円軌跡 / レ-ザ・ドップラ / 有限要素法 |
Research Abstract |
超音波リニアモ-タを次の3点に注目して開発を行った。(1)高強度圧電セラミックスの製造,(2)大電圧駆動下の圧電振動子のインピ-ダンス測定,(3)弾性体振動子の設計。当該年度の主眼は,(1)と(3)である。 超音波アクチュエ-タ用の駆動源として圧電セラミックスが使用されるが,この用途に使用される場合は,圧電セラミックスに大きな機械的負荷が加えられる。従って、この用途に使用される圧電セラミックスは機械材料でありながら,圧電特性と同等に機械的特性も要求される。セラミックスの機械的特性を向上させる1つの方法として,HIPがある。これは被処理体をアルゴンガスを圧力媒体として圧縮し,同時に加熱する方法である。これにより,セラミックスの空孔を除去して機械的特性を向上させることができた。(曲げ強度30%,破壊靭性20%向上)。 また,セラミックスの機械的特性を向上される別の方法として,セラミックス繊維などの強化材によって複合化する方法がある。アルミナウィスカの添加により,圧電特性を劣化させずに,機械的特性を向上させる(曲げ強度10%向上)ことができた。 2個の積層型圧電体と2本の足をもった兀字状超音波リニアモ-タを提案した。理論的に2本足とも同じ回転方向の楕円軌跡になることを明らかにし、また内部機械損失を考慮した有限要素法により楕円軌跡の数値解析も行なった。実際に超音波リニアモ-タの試作を行ない,レ-ザドップラ法により2本足の振動を測定し,両足の同方向の楕円運動を確認した。高さ18mm,幅36mm,厚さ5mmのアクチュエ-タで,駆動周波数90kHz,推力400gf,速度20cm/sec程度のものが試作され,安定性も良好であることがわかった。
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