1989 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・カプセル液による遠心ポンプの溶血模擬試験
Project/Area Number |
01850042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤松 映明 京都大学, 工学部, 教授 (40025896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城山 友広 京都大学, 工学部, 教務職員
林 伸幸 富士写真フィルム(株), 富士宮工場, 第2製造部長
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Keywords | 遠心血液ポンプ / 溶血試験 / マイクロカプセル / ポンプ性能 |
Research Abstract |
1.研究目的:遠心血液ポンプはポンプの力学的性能のみならず血液の溶血と凝固が問題となる。実際の血液を使って溶血試験を行うと、そのデ-タにはバラツキが多く、溶血の主要因であるはずの力学的要因と溶血を対応ずけることは必ずしも容易ではない。それは、血液が接触する材料表面に血漿蛋白をはじめ血球成分が粘着して、複雑な生体吸着反応が関与するからである。そこで本研究は,血球に類似の力学的性質を有するマイクロカプセルを開発し、その損傷の程度を測定する方法を確立し、溶血の少ないポンプの開発とその評価に役立てる。 2.(1)二重コ-ン・カップの隙間に擬似血液を満たし、外側のコ-ンカップを回転させて一様なせん断速度を与え、マイクロカプセルの単位時間当たりの損傷の程度を遊離したロイコ染料の色素濃度から求める。この際、遊離したロイコ染料の油滴が均一に液中に分散し、試験血液と全く同一の組成となるよう界面活性剤を用いて処理し、色素濃度測定に至るまでの操作法う確立した。しかし、現在のコ-ン・カップは供試血液量が0.5ml と少なく、測定時点が一点で時間経過を追うことができないので、目下、大容量のコ-ンカップを製作中で、一回当たりの供試血液量をふやして、溶血量の時間経過と剪断応力との関係を明らかにしていく。 (2)この擬似血液を用いて歳差式遠心血液ポンプの模擬溶血試験を行った。溶血量は時間に対して指数関係的に増加していくことが明らかになり、今後、系統的に運転条件を変えたデ-タを集録していき、ポンプの作動状態と溶血との関係を明らかにしていく。 (3)ここに用いたマイクロカプセルは富士写真フィルム(株)で特別に製造されたものであるが、従前の製品よりはカプセル強度を30%下げ、血液の強度により近づいているが、さらに強度を下げた血球強度に近いマイクロカプセルの製造を期待している
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[Publications] 城山友広,赤松映明,福増広幸: "歳差式遠心血液ポンプの性能改善ならびに模擬溶血試験" 人工臓器. 18. 551-554 (1989)
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[Publications] T.AKAMATSU: "Performance of a Compact Nutating Centrifugal Blood Pump (Tea Spoon Pump)" Artificial Organs. 13. 285 (1989)
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[Publications] T.Takeuchi,T.Akamatsu et al: "Experimental Study of Nutating Centrifugal Blood Pump in Vivo." Abstracts of 3rd International Symposium on Artificial Heart & Assist Device. 1. 8 (1990)