1991 Fiscal Year Annual Research Report
ウォ-タ-シ-トを利用した新しい衝撃的空力騒音低減法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01850044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松尾 一泰 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (30037759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲津 英治 西日本旅客鉄道(株), 技術開発室, 室長
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
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Keywords | 衝撃音 / 空力騒音 / 圧縮波の減衰 / ウォ-タ-シ-ト / 波動 |
Research Abstract |
1.衝撃的空力騒音の原因となる管内の圧縮波の伝播特性を調べた。その結果、圧縮波の強さの減衰率は圧縮波によって誘起される流れの摩擦を定常摩擦でなく非定常摩擦として考慮に入れると理論値とよく一致することが明らかになった。また圧縮波波形の変形については、バ-ガ-ス方程式より導かれる音響レイノルズ数が約10以上になると波形は急峻になりそれ以下では緩やかになることがわかった。 2.ウォ-タ-シ-トを利用した衝撃的空力騒音低減法では騒音場の指向性が強く、騒音源が比較的小さい場合には極めて有効であるが、パルス状の圧縮波との干渉によるウォ-タ-シ-トの微粒化、及びそれに伴う水滴粒子の飛散など、本方法の長所や短所などがかなり明らかになった。 3.これらの結果に基づき、衝撃的空力騒音を低減する方法として、負のパルス波を発生させ、それを衝撃的空力騒音と干渉させる、いわゆるアクティブノイズコントロ-ルの方法について理論解析と実験を行った。理論解析では線型空力音響学に基づいて解析し、この方法が有効であることが確認された。また実験は正と負のパルス波をスピ-カ-によってつくり、これらを干渉させることによって行い、理論解析の結果とよい一致が得られた。 4.前項の方法では衝撃的空力騒音と干渉させる負のパルス波を発生させる装置の開発が極めて重要である。本研究では平板を動かす方法と負圧を利用する方法について研究を行い、実際に製作するには負圧を利用する方法が最も優れているという結論に達した。 5.衝撃的空力騒音の低減法に関して本研究で開発した上述の方法はそれぞれ一長一短があり、対象とする衝撃的空力騒音の特性に応じて最適の低減法を採用することが必要である。
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[Publications] Toshiaki Setoguchi: "Discharge of a weak shock wave from an open end of a tube" Proceedings of the 1989 National Symposium on Shock Wave Phenomena. 31-40 (1990)
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[Publications] 青木 俊之: "圧縮波の開口端からの放出によるパルス音" 日本機械学会講演論文集. 914. 131-133 (1991)
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[Publications] 瀬戸口 俊明: "管端から放出される弱い衝撃波による衝撃音の低減に関する研究" 日本機械学会講演論文集. 914. 134-136 (1991)
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[Publications] Toshiyuki Aoki: "Inuestigation of active control of impulsive naise" Proceedings of International Symposium on Actiue Control of Sound and Vilration. 291-296 (1991)
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[Publications] 瀬戸口 俊明: "衝撃騒音低減を目的とした負のパルス波発生装置に関する研究" 日本機械学会講演論文集. (1992)