1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850047
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 孝夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (30155923)
中山 恒 東京工業大学, 工学部, 客員教授 (50221461)
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Keywords | 電子機器冷却 / 集積回路 / 沸騰 / 熱伝導 / 複合伝熱 |
Research Abstract |
集積回路素子(IC)の高性能冷却を図るため集積回路チップ表面を冷却流体と直接接触させ、チップ内の集積回路ジャンクションを直接冷却する方法につき研究を行なった。昨年度の気体による強制対流冷却に続き本年度は沸騰による冷却特性につき研究を行い以下の成果を得た。実験は大気圧の飽和またはサブク-ルR113中のプ-ル沸騰で行った。まず基板上の微小発熱素子のモデルとしてガラス基板上に蒸着により形成した20×20μmの薄膜発熱素子について実験を行った結果、沸騰域では素子過熱度と発熱量の関係が液サブク-ルに依存しない伝熱特性を示し、この時の熱流束は2×10^7W/m^2程度で通常の連続加熱面の場合の限界熱流束5×10^5W/m^2に比べて大きく、基板上の微小発熱素子の場合には基板熱伝導の効果により非常に大きな熱流束まで除熱可能なことが分かった。また気泡の成長・離脱に対応して素子温度は平均温度上昇の10%程度の幅で周期的に変動しており、気泡離脱直後に素子温度が低下することから伝熱への寄与として気泡離脱に伴う液の流入の効果が大きいこと、およびこのような発熱素子近傍の流体側の伝熱場の変動が素子温度に影響することが分かった。さらに近傍する複数の素子を同時に発熱させた場合には素子単独の場合より素子温度が増加することが分かった。次に実際のICを用いてチップ内のダイオ-ド接合(20×20μm)を発熱させた時の伝熱特性を調べた結果、基板材質の熱伝導率がガラスに比べ約100倍大きいことに対応し熱流束が約10^9W/m^2とガラス基板の場合に比べて大きく、沸騰冷却においても基板熱伝導効果が重要であることが分かった。以上のように基板上の微小発熱素子の冷却では基板内熱伝導と外部流体の伝熱場の双方が重要となるためこの複合問題について数値解析を行い、ビオ-数等の無次元量を用いて微小発熱素子の伝熱特性を整理した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 土方 邦夫: "基板上の微小発熱素子の強制対流冷却に関する研究" 第27回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 805-807 (1990)
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[Publications] Kumio Hijikata: "A Study on Heat Transfer from Small Heating Elements in an Integrated Circuit Chip" Proceeding of the 3rd ASMEーJSME Thermal Engineering Joint Conference. (1991)