1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 欽司 (株)新燃焼システム研究所, 研究部長
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
吉原 福全 立命館大学, 理工学部, 助教授 (30174999)
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
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Keywords | ディ-ゼル機関 / 燃料噴射 / 高圧噴射 / 微粒子 / 縮小管 / 油撃作用 |
Research Abstract |
ディ-ゼル機関からの排出微粒子を低減する最も有望な対策として高圧噴射が検討されているが、通常用いられるジヤ-クポンプおよび増圧ピストンによる方法では機構の複雑さや内部の燃料もれのため実用化は困難を伴う。そこで本研究では、流体の慣性を利用した新しい形式の噴射方法を開発するとともに、それらによる微粒子低減効果を確認する。本年度は、通路断面積が入口からしだいに減少する縮小管を用いると大きな増圧作用が得られることを確かめるとともに、高圧噴射の効果ならびに可能性を明らかにし、主につぎの事項について研究を実施した。 1.増圧ピストン方式により噴射圧力を高めた条件で単筒機関の運転試験を行い、従来の噴射圧力に比べ微粒子および窒素酸化物が同時に低減できること,中負荷域の可溶有機成分が減少することを示した。 2.圧力波発生部、縮小管による高圧ブ-スタ、およびホ-ルノズルから構成される噴射系を考案し、動的圧力増幅の効果を非粘性一次元微少振幅波の理論に基づく特性曲線法によって考察した。それによって、縮小管を用いると先端では入口よりもはるかに高い圧力が瞬間的に発生できることを明らかにした。縮小管を試作し、単発の打撃をプランジャに与えた場合について実験的に調べ、高圧が発生することを実証した。 3.特性曲線法による解析により、送油波形、流量、時間、および噴射管形状等の影響を調べた。その結果、管内圧力波伝播よりも短時間に燃料送入を終えると圧力変化が噴射管先端で拡大することがわかった。 4.3の結果に基づいて送油率の高い燃料噴射ポンプを考案した。これは、噴射管路内の流体の動的作用を利用するものであり、噴射時期の制御を容易にするとともに低回転速度での噴射圧力の低下や異常噴射の発生を避けることが出来る。このポンプを含む噴射系全体の作動状況を数値シミュレ-ションによって検討し、その実用性を確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池上詢: "縮小管を利用した燃料噴射の高圧化" 第8回内燃機関合同シンポジウム講演論文集. 57-62 (1990)
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[Publications] M.Ikegami: "Combustion Chamber Shape and Pressurised Injection in High-Speed Direct-Injection Diesel Engines" SAE Paper. NO.900440. (1990)
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[Publications] 山根浩二: "弾性体を用いて駆動する燃料噴射ポンプ" 日本機械学会第67期通常総会講演会. (1990)