1990 Fiscal Year Annual Research Report
超安価なミッシュメタルー鉄ーボロン急冷薄帯磁石の異方性化とプラスチック磁石への応用
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01850063
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 二郎 九州工業大学, 工学部, 教授 (40108668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 賢次 住友金属鉱山(株), 中央研究所, 主任研究員
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Keywords | 希土類磁石 / 異方性 / 配向 / プラスチック磁石 / 急冷薄帯 / ミッシュメタル |
Research Abstract |
希土類としてNdを使用して,磁化容易軸配向のための基礎実験を行った.その結果を踏まえてミッシュメタル(以下,MMと略記)FeーB系について異方性化を試み,プラスチック磁石を作製した.その結果,以下の知見が得られた. (1)急冷速度の制御で,薄帯面に垂直に磁化容易軸を配向させることができる.磁化容易軸の配向は自由表面から15μm,急冷表面から5μm程度の表面層で生じる.また,磁化容易軸の配向にともない,結晶粒が成長する傾向が見られた.結晶粒の粗大化は硬質磁気特性を劣化させるため,磁化容易軸の配向と共に,結晶サイズの制御が必要である. (2)結晶粒の微細化は,急冷レ-トの上昇で達成できるが,急冷速度が高い領域では,結晶質ー非晶質転移がクリティカルに生じるため,最適値を再現性良く設定するのは容易ではない.この対策として,非晶質形成能を低下させる添加する必要がある.この目的のためにはAl等が有効である. (3)MMはNd比較して形成する正方晶のa/cの軸比が小さい.このため,磁化容易軸の配向を得るためには,軸比を拡大する添加物が必要である.Al,Gaはこの目的のために有効である. (4)MMーFeーB急冷薄帯でプラスチック磁石を作製したが,これまでの所,特性は等方性磁石に劣る.MM系の場合,結晶粒が粗大化する傾向が顕著であり,保磁力の低下が著しい.MM系においては保磁力向上のための添加物が必要である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Yamasaki,A.Furuta,H.Hirokado: "Anisotropic NdーFeーB MeltーSpun magnets" IEEE Transaction on Magnetics. Vol.25. 4120-4122 (1989)
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[Publications] 山下 慎次・山崎 二郎・池田 満昭・岩渕 憲昭: "NdーFeーBスパッタリング異方性薄膜磁石" 日本応用磁気会誌. Vol.15. (1991)