1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850082
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (30110183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽根 一博 名古屋大学, 工学部・電子機械工学科, 助教授 (50164893)
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Keywords | フォトサ-マル効果 / 光音響効果 / レ-ザ / 真空計 |
Research Abstract |
光学式真空計は真空中に電気を導入するための電極が必要ないのできわめて簡便であり、微小空間の圧力計測や、真空封止した装置の簡単な圧力検査に有用である。一方レ-ザを用いた光熱効果によれば物体に非接触で振動を与えることができる。本研究はこの光熱効果を光学式真空計に適用するものである。 本年度内に以下のような研究を行い、新たな知見を得た。 1.光熱振動の共振周波数は周りの気体の密度により変化するので、低真空領域(1〜760Torr)において共振周波数により光学式に圧力を決定できることが明らかになった。理論的にも音響放射のモデルにより解析を行い、よい一致をみた。周波数による計測は精度が高く雑音に強い等の利点があるので真空検査の簡便な方法として有用である。 2.振動子の近くに壁がある場合には、この壁からの音波の反射により、共振周波数がかなり変化することが明らかになった。これは本方式による圧力計測の感度をあげることにつながる。マイクロマシニングで製作した超微小振動子が理論値よりもかなり大きな周波数シフトを示したのはこの原因によるものと推定される。 3.上記の方法は気体の種類が違うと感度が異なる欠点がある。光熱振動を隔膜型真空計に適用し、光学式の圧力の絶対値の計測が低・中真空領域で可能なことが明らかになった。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 稲葉 成基: "ホトサ-マル効果によって振動するガラス板の周波数の圧力依存性" 真空. 33. 686-688 (1990)
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[Publications] 羽根 一博: "レ-ザ真空計のためのリングラフィ加工した薄板の真空中ホトサ-マル振動" 真空. 34. 378-380 (1991)
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[Publications] 稲葉 成基: "真空中におけるホトサ-マル振動周波数の励振入力依存性" 真空. 34. 381-383 (1991)
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[Publications] 稲葉 成基: "周波数計測による低真空領域の光学式圧力センシング" 真空. 34. 894-898 (1991)
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[Publications] S.Inaba: "Resonance frequency shifts of a photothermal vibration in vacuum" J.Vac.Sci.Technol.A. 9. 2138-2139 (1991)
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[Publications] S.Inaba: "Resonance freqnency of a photothermal vibration for a polyethylene thim plate in medium vacuum region" J.Vac.Sci.Technol.A. 9. 3173-3174 (1991)
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[Publications] 稲葉 成基: "光熱振動を用いた光学式隔膜真空計の開発" 真空. 35. (1992)
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[Publications] S.Inaba: "Pressure dependence of the resonance frequency for a photothermal vibration of a thin circular glass plate in vacuum" Vacuum. 42. (1992)
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[Publications] S.Inaba: "Optical sensing for pressure in a medium vacuum region by using the drum effect" Appl.Opt.31. (1992)
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[Publications] K.Hane: "Frequency shift of the micromachined resonator excited photothermaly in vacuum" Rev.Sci.lnstrum.63. (1992)