1990 Fiscal Year Annual Research Report
ミニ3軸試験機の試作と海底堆積粘土の力学パラメ-タの決定法の研究
Project/Area Number |
01850115
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 保 大阪大学, 工学部, 教授 (20029143)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 和広 大阪大学, 工学部, 助手 (00185597)
|
Keywords | 圧密試験 / 圧密非排水せん断 / 洪積粘土 / 3軸圧縮試験 / 時間依存性 / せん断強度 / 堆積環境 / 変形係数 |
Research Abstract |
平成2年度においては,まず,中圧ミニ3軸圧縮試験機を試作した。この試験機の最大の特徴は,通常の3軸圧縮試験機よりも高い圧力(約50kgf/cm^2)で供試体を圧密・せん断できることである。これは,この試験機が大深度から得られる不撹乱洪積粘土の力学特性を調査することを目的として使用されるためである。試作された中圧ミニ3軸圧縮試験機の性能およびデ-タ計測装置とのバランスを調べるため,不撹乱沖積粘土を用い,一連の圧密非排水せん断試験を行った。試験機の若干の改良,デ-タ計測装置の調整,試験手法の改善の結果,中圧ミニ3軸圧縮試験機を用い,十分な精度で圧密非排水せん断試験が行えることが確認された。 次に,大阪府泉佐野市において採取された不撹乱洪積粘土試料に対し,標準圧密試験,長期圧密試験,ミニ3軸圧縮試験および中圧ミニ3軸圧縮試験を行い,その力学特性の解明に努めた。まず,圧密試験の結果から,(1)今回試験に用いた粘土は,土被り圧に比べて圧密降伏応力がかなり大きな過圧密状態にあること,(2)圧縮指数はこの地域における沖積粘土のそれよりも大きいこと,(3)二次圧密挙動は載荷重および試験方法の影響を受けることが分かった。また,両ミニ3軸圧縮試験の結果から,(1)今回試験に用いた粘土は,正規圧密,過圧密,いずれの領域においてもひずみ軟化挙動を示すこと,(2)強度増加率と圧密降伏応力によって正規化された圧密応力との間に,一義的な関係のあることが示された。さらに,同一粘土層中の深度の異なる2つの位置から採取された試料を用いた圧密試験および3軸圧縮試験の結果から,たとえ同一層中であってもその深度が異なれば,力学特性がかなり異なるケ-スがあることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)