1989 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星デ-タを用いた地すべりの危険度評価と発生予測法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01850116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
後藤 恵之輔 長崎大学, 工学部, 教授 (00037954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 秀彦 埼玉大学, 工学部, 助手 (40008868)
山上 拓男 徳島大学, 工学部, 教授 (90035642)
瀬戸島 政博 国際航業(株), 調査解析部, 課長
棚橋 由彦 長崎大学, 工学部, 助教授 (80039685)
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Keywords | 地すべり / 発生予測 / リモ-トセンシング / 数量化理論 / 危険度評価 / 植物活性 / 現地観測 / 地すべり粘土 |
Research Abstract |
本研究の地すべり発生予測法は、地すべり危険度の評価と植物活性の解析により発生地点を予測し、現地観測および地すべり粘土の特性把握によりその地点を確認・予測するものである。 1.長崎県内の2箇所(島原半島と佐世保市)を選定し、これらの地域を包含する衛星デ-タとして、ランドサットのMSSとTMおよびスポットのHRV各デ-タを収集した。 2.島原半島については、対象地について地形情報と地質情報を読み取り、これと1.の衛星デ-タのうちの最新デ-タを変量として数量化理論による危険評価を行った。その判定結果を過去の発生箇所と比較検証したところ、危険度評価により危険度が高いと判定された地点において両者は一致した。 3.佐世保市については、最近発生した大規模地すべり地を対象として、植物活性の変化を追跡した。その結果、当該地すべり地は発生の数年前から植物活性が低下しており、既に前非現象が現われていたことが明らかとなった。この植物活性の変化による前非現象の把握結果は、別途実施した現地調査および聞き取り調査により実証された。 4.2.については更に植物活性の経時変化を調べ、3.については更に数量化理論による危険度評価を行わなければならないが、いずれも現在実施中である。 5.本法のテストエリアは、長崎、長野、新潟、山口、徳島の各県である。当該年度は長崎,新潟両県を対象とする予定であったが、解析については上述の長崎県の他に山口県(油谷半島)も対象として行い、現地調査については徳島県においても実施した。これら諸地域での結果ならびに1.〜4.を考慮して、次年度には「衛星デ-タ利用による地すべり発生地点の予測法」を確立する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 後藤恵之輔: "衛星デ-タによる斜面崩壊の発生予測手法の開発" 土木学会第44回年次学術講演会講演概要集. 534-535 (1989)
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[Publications] 後藤恵之輔: "リモ-トセンシングによる調査・計測技術の21世紀へ向けての将来展望" 第34回土質工学シンポジウム(創立40周年記念)「21世紀の土質工学を考える」発表論文集. 309-316 (1989)
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[Publications] 後藤恵之輔: "熱赤外リモ-トセンシングによる法面空洞調査手法に関する基礎実験" 土木構造・材料論文集. 5. 77-86 (1990)
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[Publications] 峰浩二: "地巾情報を考慮した現通沿線の斜面崩壊発生予知" 平成元年度土木学会西郡支部研究発表会講演概要集. 380-381 (1990)
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[Publications] 杉山和一: "数量化理論による地すべりの危険度評価法の一試案" 土木学会論文絵告集(査読済み、修正のうえ掲載可).