1989 Fiscal Year Annual Research Report
海・湖の下層低温水を水面まで浮上させる気泡弾を用いた揚水塔の開発
Project/Area Number |
01850118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40134332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕一 宇都宮大学, 工学部, 助手 (20202898)
菅 和利 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (70052884)
中辻 啓二 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029324)
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Keywords | 深層水 / 気泡弾 / 揚水施設 / 成層破壊 / 貯水池 / 水質改善 / 密度流 / 鉛直混合 |
Research Abstract |
本年度、浅枝は、揚水塔を水中に立て下から気泡弾を発生させた場合の現象の解析及び室内実験を行った。解析ではまず、一様な水中に揚水塔をたて下から気泡弾を発生させた場合に気泡弾によって持ち上げられる水の流速、流量の時間変化を解析した。次に、密度の異なる水(例ば淡水と塩水)による二成層中に揚水塔をたて下から気泡弾を発生させた場合の解析を行った。この場合、気泡弾を単発的に発生させると、気泡弾により揚水塔中を持ち上げられた下層の高密度の水が、気泡通過後は重力の作用で落下し、その後、減衰しながら上下運動を行う。解析ではこの現象をうまく再現できた。この下降流が発生する直前に次の気泡弾を発生させれば下層の水は常に揚水塔を通して持ち上げられ続けることになり、しかも、投入する空気量は最小限ですむことになる。次にこのような間隔で気泡弾を発生させた場合の揚水量、さらに、持ち上げられた下層水が周囲に拡がる拡がり幅、周囲に拡がった水が上層中で混合しながら落下していった場合の周囲の密度変化等を求めた。その上で、このようにして気泡弾を用いて揚水した場合のエネルギ-効率を求め、上層が十分厚い場合には、散気的に気泡を発生させて揚水を行った場合と同程度の効率が得られることが明らかとなった。一方、室内実験では解析で行った条件の下で測定を行い、解析結果の検証を行った。 中辻は気泡弾によって周囲に拡がった下層水が落下する際の連行量の解析を行った。さらに、菅と池田は、種々の成層中で揚水塔を用いて気泡弾を発生させた場合の室内実験を行い、流速、密度の時間変化を測定するとともに現象の可視化を行った。菅は特に気泡弾発生口の形状について種々の実験を行い最適形状を得た。
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[Publications] 浅枝隆,J.Imberger: "連続成層中のBubble Plumeの挙動について" 土木学会論文集. 411. 55-62 (1989)
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[Publications] 浅枝隆,中井正則: "気泡を用いた高密度の深層水揚水施設の解析" 土木学会論文集. 411. 91-98 (1989)
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[Publications] 浅枝隆,中井正則,玉井信行: "水面に衝突する高密度噴流の拡がり幅" 土木学会論文集. 411. 109-115 (1989)
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[Publications] 浅枝隆,池田裕一,J.Imberger: "密度二成層中のBubble Plumeの挙動について" 土木学会論文集.
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[Publications] 浅枝隆,J.Imberger: "Structures of bubble plumes in stratified environments" Journal of Fluid Mechanics.
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[Publications] 池田裕一,守屋茂: "気泡弾式揚水塔の揚水能力に関する基礎的研究" 土木学会年次学術講演会講演概要集. 45. (1990)