1989 Fiscal Year Annual Research Report
二相嫌気性消化方式による嫌気性活性汚泥プロセスの高効率化と実用化に関する研究
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01850127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 昭 (株)荏原綜合研究所, 研究員
遠矢 泰典 (株)荏原綜合研究所, 常務取締役
大村 達夫 岩手大学, 工学部, 助教授 (30111248)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 助教授 (80194033)
李 玉友 東北大学, 工学部, 助手 (30201106)
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Keywords | 嫌気性活性汚泥法 / 二相嫌気性消化 / バルキング / 糸状細菌 / 沈降特性 / 食品工場廃水 / 高効率化 |
Research Abstract |
1.食品工場廃水処理実験 食品工場廃水を模擬した人工廃水を用いて、嫌気性活性汚泥処理における生物汚泥のバルキングの発生要因を明らかにした。人工廃水のBOD源として、小麦デンプンの比率を4段階に変化させた基質を用いて、ベンチスケ-ル嫌気性活性汚泥実験装置(メタン発酵槽6l)を運転し、基質除去、メタン生成、汚泥沈降特性などの各特性に関するデ-タを得た。その結果、人工廃水中の小麦デンプンの比率が高い場合には、嫌気性の糸状細菌が異常増殖し、SVI値が250を越えるいわゆるバルキング現象を生じた。また、一旦、バルキング現象を生じた実験プロセスに対し、小麦デンプンを含まないか、あるいは含有量が少なく(12.5%以下)、それに代って酢酸、プロピオン酸、乳酸の含有量を増大させた人工廃水を供給することによって、糸状細菌の増殖は抑制され結果的にバルキング現象は消減し、正常な汚泥状態に戻ることが可能であった。また、バルキングからの回復は人工廃水中の小麦デンプン濃度が低い程速かに進行した。これらの結果より、嫌気性糸状細菌の増殖を促進させる基質成分を含む廃水を嫌気性活性汚泥法によって処理する場合には、前段において基質成分を有機酸に変換するための酸発酵槽を設置した二相消化方式とすることが有効であることが知られた。 2.ラボ実験 嫌気性活性汚泥法に及ぼすSRTの影響について、35℃における連続実験を行い、下水汚泥の分解率、消化汚泥の沈降特性および嫌気性細菌群の分布特性に関する検討を行い、(1)初沈汚泥の分解可能な部分はSRT10日以内でほとんど分解される(2)消化汚泥の沈降特性は、SRT3日以上の場合SV_<60>が50%以上に達するが、SRT1〜2日では汚泥の浮上現象が生じる。(3)細菌群の分布特性より判断して、初沈汚泥に対しては二相分離が可能である。
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Research Products
(1 results)