1989 Fiscal Year Annual Research Report
上昇流嫌気性スラッジブランケット法による低濃度廃水の高速処理プロセスの開発
Project/Area Number |
01850128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
桃井 清至 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60003852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐山 光市 (株)荏原総合研究所, 第5研究室, 主任
遠矢 泰典 (株)荏原総合研究所, 第5研究室, 室長
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 助手 (30193072)
滝沢 智 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10206914)
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Keywords | スラッジブランケット法 / 二相消化 / 酸発酵 / メタン発酵 / セルロ-ズ分解菌 |
Research Abstract |
上昇流嫌気性スラッジブランケット法は、沈降性の優れたグラニュ-ル状汚泥集塊の形成により、高濃度の生物量を反応器内に保持する事が出来るので高い処理性能を有する。しかし、最大の弱点である固形性有機物を含む低濃度廃水処理への適用性を検討するため、でん粉工場実廃水(固形性COD成分70〜80%)と下水処理へ適用した場合問題となる難分解性成分であるセルロ-ズの分解処理特性を二基のパイロットプラントによる長期連続実験から次のような成果を得た。 (1)でんぷん工場実廃水への適用実験 でんぷん工場廃水処理には、完全混合槽、沈殿槽とスラッジブランケット槽を組合せた二相システムを適用することにより、完全混合槽である酸発酵プロセスで、でんぷん廃水中の糖、蛋白の各々80%、50%が分解される。また、流入固形物の紛50%が分解される事が判明した。スラッジブランケット槽では、流入CODの約30%が固形物であったが、反応器内で可溶化、酸発酵およびメタン発酵が速やかに進行した。 (2)合成下水中のセルロ-ズの分解特性 セルロ-ズを用いた低濃度合成基質の連続処理実験では、COD除去率は80%以上であり、容積負荷1.5kg/m^3.日までは負荷変動の影響は少く、セルロ-ズは蓄積することなく速やかに分解されている事が確かめられた。また連続実験日数の経過とともに、反応器内の菌体のポピュレ-ションは変化し、セルロ-ズ分解菌の集約化が進んでいる事が判明した。
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