1990 Fiscal Year Annual Research Report
斜面岩盤の安定性評価のための電磁制御モデル実験システムの開発
Project/Area Number |
01850138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
氏平 増之 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大賀 光太郎 北海道大学, 工学部, 助手 (40133706)
冨長 勇作 北海道大学, 工学部, 助教授 (80003200)
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002199)
根岸 正充 北海道開発局, 土木研究所・第4研究部, 室長
樋口 澄志 北海道大学, 工学部, 教授 (20002040)
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Keywords | 岩盤崩壊 / 電磁制御モデル / コンピュ-タ制御 / 斜面の安定性 |
Research Abstract |
平成2年度に実施した本課題における研究経過と結果は次のとうりである。平成2年度は備品として,新たに48個のマグネットを増設できるI/O拡張BOXを追加した。これにより,合計144個のマグネットの吸着力を個別に,同時にコンピュ-タ制御出来る斜面岩盤の崩壊実験システムを完成させた。さらに平成元年度に開発したシステム駆動ソフト「H1ーMGP」に修正を加え「H2ーMGP」を開発した。平成2年度は,岩盤のモデル材料としてポリエチレン製ブロックを加工して用い,斜面角,斜面の凹凸の有無をパラメ-タとした崩壊実験を重ね,崩壊挙動,落下速度,飛散範囲,地盤振動等の特徴に関する画像解析・計測等を実施した。その結果判明している事項は下記のごとくである。 (1)崩壊挙動のビデオ画像によると,斜面が平滑である場合の崩壊は,斜面角60°〜90°の範囲においては全て滑落型を示し,岩塊が跳躍挙動を示すことはない。他方,斜面に凸部が存在する場合,斜面角70°以内の範囲では滑落中凸部と衝突した場合断続的に下端が座屈し跳躍挙動が現われる。斜面角80°以上の範囲においては凸部が存在するとトップリングが生起する。(2)崩壊物の線速度は,概ねその位置からの自由落下速度の80〜95%である。斜面角が鉛直に近いほど自由落下速度に近い。(3)崩壊物の地上への飛散には特定のパタ-ンが認められる。崩壊が滑落型の場合は,崩壊物が一様に分布するが,飛散範囲が狭い。トップリング型の場合は,倒壊に指向性がある。座屈型の場合には落下後の二次的飛散範囲が広い。(4)地盤の振動(変位速度)と落下速度との間には相関関係が認められ,斜面角が鉛直に近い場合に両者が大となる。ただし,バラツキが大きい。 以上が平成2年度に実施した本研究課題における研究結果の概要である。平成3年度は,モデルをより実際に近づけ実験を重ねる。
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