1989 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成無機栄養菌による低pH域酸化反応の非定常状態での運転試験
Project/Area Number |
01850139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鴻巣 彬 東北大学, 工学部, 助教授 (20089791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 廣 岩手大学, 工学部, 助教授 (00113861)
榎本 兵治 東北大学, 工学部, 助教授 (80005412)
井上 千弘 同和鉱業株式会社, 中央研究所, 研究所
新堀 雄一 東北大学, 工学部, 助手 (90180562)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / 集積培養菌 / 硫酸第一鉄 / 反応速度 / 回分運転試験 / 提案速度式 / 2パラメ-タ / 酵素反応型 |
Research Abstract |
1.研究目標 本研究は、Fe^<2+>集積培養菌による低pH域酸化反応の非定常状態での操業、すなわち連続操業に移行する前の反応装置の回分運転に関するものである。本研究では、工学的指針としての菌による酸化速度式の作成、およびその適用方法の試験を行なう。 2.研究結果 実用的な速度式の誘導を試みた。誘導にさいしては、鉄酸化細菌(T.ferrooxidans)による酸化がエネルギ-源と栄養塩とを明確に区別できる点に着目し、式の簡明化を行った。誘導した二種類の速度式(化学反応型,酵素反応型)について、研究実施計画に記載のハ-ド型の試験、ソフト型の試験、および総括・検討を行った。この結果、酵素反応型数式モデルによる式(1)の成立が認められた。 注1)数式モデル:鉄酸化細菌は、環境変化に対応し、酵素への制御作用(抑制)を行なうと仮定。 〈提案速度式〉 {(1+α)・β}t=In{α+1-s')/(α・s')} (1) パラメ-タ α=X_0/(Y・s_0),β=k・Y 記号 k;非制御状態と見なした菌体当りの反応速度定数[mol・cell^<-1>・h^<-1>],s';基質(エネルギ-源)残存率[-](s'=s/s_0),s;時間tにおける基質(エネルギ-源)濃度[mol・m^<-3>],s_0;初期基質(エネルギ-源)濃度[mol・m^<-3>],t;反応時間[h],X;非制御状態と見なした菌体の濃度[cell・m^<-3>],X_0;非制御状態と見なした初期菌体濃度[cell・m^<-3>],Y;見かけの増殖収率[cell・mol^<-1>](Y_<c/e>,Y_<e/s>に比例) 注2)提案速度式の説明は次の資料に記載。鴻巣彬、千田浩:"鉄酸化細菌の反応速度式、誘導の試み、その検討ー1"、資源・素材学会「微生物機能の活用に関する研究委員会(第2回)」、資料No.5、1〜6(1990)
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