1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 圭二 東京大学, 工学部, 教授 (00011099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 嗣津夫 東京大学, 工学部, 助手 (20010986)
登坂 博行 東京大学, 工学部, 助教授 (90188748)
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Keywords | 地下空間 / 岩盤割れ目 / 透水性 / 止水材料 / 止水効果 / 数値解析 / シミュレ-ション |
Research Abstract |
地下空間周辺の地下水の挙動を予想して、制御する技術は、地下空間利用における最も重要な技術課題の一つである。特に割れ目系岩盤の地下水制御は難しく、従来の止水、水抜き技術では解決し難いものが多く、全く発想を異にした地下水制御技術の開発が期待される。 本年度の研究は止水材料の基礎物性試験を行うと同時に止水材料の適合性(止水効果・長期安定性)についての室内実験と地下水挙動の解析シミュレ-タの作成を行った。今回は止水材料としてカオリナイト粒状止水材と水ガラス系ケミカル材を用いた。カオリナイトは割れ目系において二つの止水効果作用を考えた結果、沈澱・濃集の相乗作用によって止水効果が促進されることが判明した。これらのデ-タを割れ目系岩盤の透水性および割れ目面粗度を取入れた数値解析シミュレ-ションを行った結果、ほぼ止水材料として良好であると考えられる。一方水ガラス系ケミカル材は固化剤として環境保全上の問題から、過去に用いた工文タイト1号は用いず、有機系の材料を用いた。その結果、ゲル化(膠状)作用の遅速によって止水効果が異ってくることが判明し、とくに水飽和状態の割れ目を考える上でまだ十分な結果はえないが、部分的には非常に効果的であることが予想された。なお二次元モデルとして止水効果を数値解析した結果、割れ目の透水性、水飽和時の温度・水質(各種陽イオン・pHなど)によるゲル化の遅延が止水効果に大きく影響を及ぼすものと考えられる。以上結果でまだ解明されない重要な課題は狭隘な範囲と広域な場合との追究であらう。 上記の実験・計測および数値解析を試みたため別紙に記載したような設備備品を購入した。
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Research Products
(1 results)