1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850146
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 泰之 三重大学, 工学部, 助教授 (80150283)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 允史 三重大学, 工学部, 教授 (40023147)
|
Keywords | 陽電子消滅 / 陽電子寿命 / フッ化バリウム / 紫外光発光 / BaF_2 / 時間分解能 |
Research Abstract |
陽電子寿命測定法は、陽電子が物質中の格子欠陥や空孔などで選択的に消滅する特徴があるため、特に金属の格子欠陥の研究分野で多くの成果を挙げて来た。しかしながら、より精度良く測定するためには、この測定に用いられるシンチレ-タと光電子増倍管を組み合わせた放射線計測技術が、光電気信号変換方法として、エレクトロニクス技術の面から、最先端であることが重要である。 従来、時間分解能200ピコ秒を得るため、γ線の検出効率は犠牲にして、プラスチックシンチレ-タが使用されて来た。最近、ふっ化バリウムの結晶に30nm程度の減衰時間の短い放射線発光が発見された。 そこでプラスチックシンチレ-タとRCA社8575光電子増倍管の組合わせを基準として、ふっ化バリウム結晶の特性を調べた。測定はシングル回析格子の分光器を使用し、γ線に対する紫外光領域での発光スペクトルを測定する方法を行うが、現在紫外光によって励起をおこし、その蛍光を測定している。また、実際の陽電子消滅γ線エネルギ-0.512keVに対する光電子増倍管の出力スペクトルを測定した。現在シンチレ-タ結晶の反射材料としてアルミナの粉末を使用していたが、これが紫外光領域で吸収を持っていることがわかり、反射材料の選定が大きな問題となっている。主な計測装置、標準放射線同位体源は、京都大学原子炉実験所で、研究代表者が協力して調整をした陽電子寿命測定装置を使用し、現在、一部改良調整中である。
|