1989 Fiscal Year Annual Research Report
粉末成形法による耐圧冷却チャンネル構造ロケットノズルの試作
Project/Area Number |
01850151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 工学部, 教授 (20005341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 義信 住友電気工業(株), 伊丹研究所, 主任研究員
平野 徹 ダイキン工業(株), CAEセンター, 主任研究員
新野 正之 航空宇宙技術研究所, 角田支所, 研究室長
八柳 信之 航空宇宙技術研究所, 角田支所, 研究室長
川崎 亮 東北大学, 工学部, 助教授 (50177664)
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Keywords | ロケット燃焼器 / 軽量合金 / 粉末成形法 / レ-ザスペックル法 / 焼結接合 / 傾斜機能化 |
Research Abstract |
軽量長寿命ロケット燃焼器の外殻構成用の材料として、Al-Cu-Mn-Si合金系を選択し、素粉末混合法による燃結合金の作成条件を検討した。原料粉の混合、圧縮成形、焼結、Tー6熱処理の各条件について、焼結体の寸法変化および組織形成について調査した。その結果、合金粉を用いる場合と比較して、焼結時の膨張現象が顕著であること、やゝ偏析が残ること、降伏点の制御にやや難点があること、しかし、ロケット燃焼器の寿命に最も大きな影響を与えるヤング率および気孔率の制御は容易であることが明らかとなった。新たに購入した電子計測式万能試験にレ-ザ-スペックル歪測定装置を設置して、ヤング率の非接触測定を行った。気孔率17〜32%の範囲におけるヤング率の変化は、いわゆるマッケンジ-の式で表わされ、かなり精度良くヤング率を制御できることがわかった。また、測定値を用いてロケット燃焼器の疲労寿命を試算した結果、従来器の寿命の約10倍にのびることがわかった。ロケット燃焼器内筒材として使用される純銅(OMC材)との焼結接合試験を行った結果、両材料の接合性は極めて不良であり、これはOMC材表層に偏析するCrのためと推定された。接合性を改善するためには、HIP接合処理が最も有効であるが、内筒材表面にSnあるいはAgメッキ処理を施すことも再現性のある安定な接合状態を得るために必要であることも明らかになった。しかし、一般にAl-Cu系混合粉の焼結挙動は極めて複雑であり、寸法制御および内筒との接合形成に難点があることがわかった。この点を克服するためには、接合界面部における組成を傾斜化するなどの傾斜機能化の考え方を積極的に応用していくことが必要であることが考察された。
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