1990 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物TiAlの実用化(一方向性組織の制御による延性化の試み)
Project/Area Number |
01850163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 正治 京都大学, 工学部, 教授 (90029108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 晴行 京都大学, 工学部, 助手 (30213135)
白井 泰治 京都大学, 工学部, 助教授 (20154354)
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Keywords | 金属間化合物 / TiAl / 軽量耐熱材料 / orderd domain / 冷間圧延 / 双晶 |
Research Abstract |
主としてTiー49at%Al組成の金属間化合物TiAlのインゴットを入手し、光学式FZ大戸を用いて単一層状組織方位を持つ結晶(polysynthetically twinned crystals,PST結晶)を育成した。このTiAl PST結晶より引張試験片を切り出し、引張試験を行なった結果、すでに報告した圧縮試験の結果と全く同じ降伏応力および降伏応力の層状組織方位依存性を示すことを見い出した。すなわち、層状組織を有するTiAlには、その結晶構造から予想される圧縮と引張に関する変形モ-ド依存性がないことが明らかとなった。さらにこのことは、層状組織を構成する薄片双晶とordered domainの変形様式と密接に関連していることを明らかにし、TiAlにおける組織と力学的物性の相関を考える上での重要な知見を得た。このような層状組織を持ったTiAlは、層状組織に平行にせん断変形が進行する時、極めて容易に変形する。たとえば、現在単純引張試験では20%の延びを観測している。本研究では、この容易変形モ-ドを積極的に利用し、冷間でTiAlを圧延することを試みた。容易変形モ-ドを最大限に活用し得る方位を選択すれば、50%に迫る冷間圧延圧下率を達成可能である。しかしさらに圧延圧下率を向上させるためには、冷間圧延過程における中間焼鈍が不可欠である。ただし、容易変形モ-ドを利用する圧延を中間焼鈍後も実行するためには、層状組織を保存したまま中間焼鈍を行わねばならない。今回、層状組織を保存しつつ、冷間圧延による硬化を完全に回復させ得る焼鈍条件を明らかにした。その結果、冷間圧延圧下率50%を越える圧延が可能となった。中間焼鈍に伴う層状組織の微細構造の変化を明らかにし、さらに高圧下率の冷間圧延を行なうために研究を継続するつもりである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yamaguchi: "The deformation behaviour of intermetallic superlattice compounds" Progress in Material Science. 34. 1-148 (1990)
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[Publications] 山口 正治: "TiAlの変形と回復・再結晶" 日本金属学会会報. 30. 43-48 (1991)
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[Publications] H.Inui: "Deformation of polysynthetically twinned(PST)crystals of TiAl in tension and compression at room temperature" Materials Research Society. (1991)
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[Publications] M.H.Oh: "Coldーrolling and subsequent annealing of Tiーrich TiAl polysynthetically twinned(PST)crystals" Materials Research Society. (1991)
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[Publications] M.H.Oh: "Recovery and recrystallization of coldーrolled polysynthetically twinned(PST)crystals of TiAl" Acta Metallurgica. (1991)
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[Publications] H.Inui: "Deformation structures in Tiーrich TiAl polysynthetically twinned crystals at room temperature" Philosophical Magazine. (1991)