1990 Fiscal Year Annual Research Report
微小孔配列電極を用いるHPLC用電気化学検出器の試作及び最適化
Project/Area Number |
01850169
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 耕一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健一 桐蔭学園, 横浜大学, 教授 (90220061)
|
Keywords | 微小孔配列電極 / カ-ボンファイバ-電極 / 高速液体クロマトグラフィ- / 電気化学検出器 / フロ-インジェクション |
Research Abstract |
カ-ボンファイバ-をエポキシ樹脂に埋め込んだ複合体を用い,カ-ボンの一部を電解エッチングして多数の微小孔の奥に電極が存在する微小孔配列電極を作製し,高速液体クロマトグラフィ-やフロ-インジェクション分析法における電気化学的検出器への応用を試み,セルの作製とその最適化を検討した。円筒の流路中に液の流れに垂直に微小孔配列電極を配置したセルと,市販のフロ-セルのグラッシ-カ-ボンディスクの代りに微小孔配列電極を埋め込んだエポキシ製円盤を装着したセルにより,ヘキサシアノ鉄イオンを試料として調べた結果,期待通り流速にほぼ依存しない定常電流応答が得られ,理論式から予測される通りの電流が得られることから,被検物質の拡散係数の値が知られていれば検量線を使用せずに定量することが可能になった。(1)電流の絶対値を増し,分析感度を増すために1万ー10万本のカ-ボンファイバ-からなる微小孔配列電極の作製を試みたが,千本の場合は定電流電解エッチング法によりほぼ所望の電極が得られるが,より多数の場合には電圧規制法による方が均一なエッチングができることが明らかになった。電解電位,時間と微小孔の深さとの関係はほぼ明らかとなったが,更に検討が必要である。(2)パルス電解法を適用すると,感度の増大はみられるが,電気二重層の充電電流の寄与が大きく,エッチング後の表面処理が今後の課題として残される。(3)カテコ-ルアミン類などの試料にもここで試作した検出器は十分有効であることが明らかになった。しかしながら長時間での使用では,従来のセルと同様,徐々に電流応答の低下が見られ,この問題を解決は今後の課題である。なお,(4)微小孔電極に酵素を固定し選択的に検出することも可能になった。
|
-
[Publications] Koichi Tokuda: "Flow Rate Independent Amperometric Flow Cells Using Microhole Array Electrodes" Denki Kagaku. 58. 1217-1219 (1990)
-
[Publications] Yoshihiro Shimizu: "Microhole Array Electrode as a Glucose Sensor" Analytical Chemistry. 62. 1498-1501 (1990)