1989 Fiscal Year Annual Research Report
分子錯体形成によるインド-ル誘導体の選択的合成反応の開発
Project/Area Number |
01850195
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
平井 英史 東京理科大学, 工学部, 教授 (90010751)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 淳 旭化成工業(株), 技術研究所, 所長
好野 則夫 東京理科大学, 工学部, 講師 (50084380)
|
Keywords | シクロデキストリン / 触媒 / インド-ル / インド-ルー3ーアルデヒド / 3ークロロキノリン / 初期添加法 / 連続添加法 |
Research Abstract |
βーシクロデキストリング触媒として、インド-ルをアルカリ水溶液中でクロロホルムと反応させ、得られた生成物を分析して、インド-ルー3ーアルデヒドと3ークロロキノリンの収率を求めた。アルカリ濃度、クロロホルムの添加方法、βーシクロデキストリン濃度、反応温度などのインド-ルー3ーアルデヒドの収率および選択率への効果を調べた。クロロホルムの添加法は、反応開始時に全量を添加する“初期添加法"および反応進行に伴いクロロホルムを逐次添加する“連続添加法"について検討した。2.6Nー水酸化ナトリウムを用いて両法によるインド-ルー3ーアルデヒドの収率を比較したところ、初期添加法では12.2mol%(選択率76.3%)であるのに対し、連続添加法では21.1mol%(選択率77.9%)であった。次にアルカリ濃度の収率への影響を調べるために、初期添加法により、2.6Nと5.8Nの場合を比較したところ、2.6Nでは収率12.2mol%(選択率76.3%)、5.8Nでは収率5.4mol%(選択率42.2%)であった。さらに低いアルカリ濃度では1.1〜1.4Nの範囲で最も効率よくインド-ルー3ーアルデヒドが合成できることを見いだした。以上の結果より、反応温度60℃で、連続添加法によりクロロホルムを加え、反応溶液中の水酸化ナトリウム濃度を1.1〜1.4Nに保つように水酸化ナトリウム水溶液を滴下補給することにより、インド-ルー3ーアルデヒドを収率45.8mol%(選択率82.0%)で合成することに成功した。また、αーシクロデキストリンを添加するとインド-ルー3ーアルデヒドの選択性が94.1%に向上することを見出した。しかし、反応中のクロロホルム消費経路を詳細に検討した結果、クロロホルムの反応中間体は目的の反応(インド-ルー3ーアルデヒドと3ークロロキノリンの生成)以外に、水や水酸イオンと反応し、必ずしも効率よく消費されていないことがわかった。今後はこの反応中間体の水や水酸イオンとの反応を抑制する条件を見出す必要がある。さらに、クロロホルムの反応性を生じる塩化ナトリウムに抑制されている可能性のあることを見出した。
|