1990 Fiscal Year Annual Research Report
分子錯体形成によるインド-ル誘導体の選択的合成反応の開発
Project/Area Number |
01850195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B).
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 英史 東京理科大学, 工学部, 教授 (90010751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 淳 旭化成工業(株), 技術研究所, 所長
好野 則夫 東京理科大学, 工学部, 講師 (50084380)
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Keywords | シクロデキストリン / インド-ル / インド-ルー3ーアルデヒド / 3ークロロキノリン / ジクロロカルベン / クロロホルム / 連続添加法 |
Research Abstract |
アルカリ水溶液中でインド-ルとクロロホルムを反応させ,インド-ルー3ーアルデヒドを合成する反応において,βーシクロデキストリンを添加してインド-ルと分子錯体を形成させることにより,3ークロロキノリンの副生を抑制し,インド-ルー3ーアルデヒドの収率を高めることに成功しているが,クロロホルムから生じるジクロロカルベンが水酸イオンおよび水と反応して消費されるため,クロロホルムの利用効率が低いことがわかった.この対策として,βーシクロデキストリンとクロロホルムの分子錯体を形成させ,クロロホルムを保護することにより反応効率の向上をはかった.反応温度を低くすると,ジクロロカルベンの生成速度が小さくなるが,βーシクロデキストリンとインド-ルおよびクロロホルムの分子錯体の形成は促進され,βーシクロデキストリンによるクロロホルムの保護効果は40℃で最大となることを見出した.そこで反応を40℃で行ったが,βーシクロデキストリンの添加効果は認められるものの,インド-ルー3ーアルデヒドの収率は10.2mol%であり,60℃での収率より低くなった.この原因を追究した結果,反応にともなって生じる塩化ナトリウムがジクロロカルベンの生成を抑制し,その影響は低温において大きくあらわれることがわかった.反応にともない生じる塩化ナトリウムを除去するために,エタノ-ルを添加した反応系について検討したが,水酸化ナトリウム水溶液中におけるシクロデキストリンのインド-ルとの分子錯体形成能は,エタノ-ルの混入とともに低下し,エタノ-ルを30Vol%混入するとインド-ルーシクロデキストリンの分子錯体がほとんど形成されなくなることを見出した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.Sugiura,M.Komiyama,N.Toshima,H.Hirai: "Immobilized βーCyclodextrins.Preparation with Various Crosslinking Reagents and the Guest Binding Properties." Bull.Chem.Soc.Jpn.62. 1643-1651 (1989)
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[Publications] H.Hirai,G.Ogawa,N.Yoshino: "Selective Synthesis of Indoleー3ーaldehyde using Cyclodextrin as Catalyst." Bull.Chem.Soc.Jpn.
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[Publications] 平井 英史: "シクロデキストリンの化学" 化学と教育. 38. 158-162 (1990)