1989 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場勾配スピンエコ-NMR検出器の開発と高分子系への応用
Project/Area Number |
01850196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野瀬 卓平 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 啓一郎 日本電子(株), 研究開発部NMRグループ, 副担当次長
池田 武義 日本電子(株), 分析機器サービス部, 専門次長
岡田 守 東京工業大学, 工学部, 講師 (50185451)
安藤 勲 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016637)
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Keywords | 磁場勾配パルスNMR法 / トレ-サ-拡散 / 自己拡散 / 高分子融体 / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
本研究は、高分子系の遅い拡散の測定、さらにはこれまで不可能であった高分子の分子内運動の測定へ応用し、NMR測定の守備範囲を質的に拡大することを目的とし、高磁場勾配のプロ-ブの開発とその高分子系への応用を試みようとしたものである。今年度の研究の主眼は、超高磁場勾配スピンエコ-プロ-ブの作製である。その結果、次の実積を挙げることができた。 1.次の性能をもつプロ-ブの作製に成功した。 最大磁場勾配 500ガウス/cm パルス幅 0.03〜50ms パルス間隔 5〜600ms 磁場勾配の検量は、主に水を用い、パラフィン、ポリエチレングリコ-ル、ポリジメチルシロキサンも併用した。また、残留磁場の影響についても調べ、パルス間隔とパルス幅との妥当な採り方を決めた。 2.標準的な試料による性能検査 上記、磁場勾配の検量を兼ね、測定の信頼性を確認することができた。その中で、低磁場では十分観られなかった分子量の高いポリジメチルシロキサンの分子量分布の拡散への影響が明確に観測された。 3.ミクロ相分離したブロック共重合体のミクロ層中の高分子鎖の拡散 AーBーA型ブロック共重合体にBと同種の短い高分子を溶かし、その高分子の拡散係数を測定した。スピンースピン緩和時間が50msの場合、従来の50ガウス/cmの磁場勾配ではパルス幅とパルス間隔が近づき残留磁場の効果で拡散係数が測定できなかったものが、本プロ-ブを用いることにより精度よく拡散係数を求めることができ、高磁場勾配プロ-ブの有効性を示すことができた。
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