1989 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖にシクロブタン環を有する人工ポリマ-のHPLC用キラル固定相への応用
Project/Area Number |
01850200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 和彦 東京大学, 工学部, 助教授 (80016154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 浩三 ダイセル化学工業(株), セパレーションシステム, 研究員
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Keywords | 光二量化 / 光学分割 / 開環重付加 / アルカリ解重合 / 光学活性ポリアミド / HPLCキラル固定相 / 偶奇効果 |
Research Abstract |
アンチ頭-頭クマリン二量体からの光学活性ポリマミド側鎖のカルバモイル化は、各種イソシアナ-トとの反応により容易に行うことができた。本反応は高分子反応であるにもかかわらず、高収率、高転換率で進行することを明らかにした。同様に、ブロモ酢酸アミド類との反応も容易に進行し、対応するアミドメチル化されたポリアミドが得られることを見出した。次いで、得られたポリアミドをジフェニルシラン処理した多孔性シリカゲルにコ-ティングしてHPLC用キラルカラムを調製し、そのキラル識別能を調べた。その結果、アミドメチル化ポリアミドは、ほとんどキラル識別能を示さなかったが、カルバモイル化ポリアミドは、無修飾ポリアミドでは分割できなかったラセミ体を分割することができ、両ポリアミドのキラル識別能は相補的であることが分った。 アンチ頭-頭クマリン二量体とα、ω-アルカンジアミンから得られる光学活性ポリアミドのキラル識別能は、ジアミンのメチレン鎖に対して偶奇依存性がある。この要因を解明するため、X線回折、DSC測定を行い詳細に検討したところ、キラル識別能と結晶化度は相関があることが分った。すなわち、シリカゲル表面でのポリアミドに結晶性が認められる。メチレン鎖が偶数のポリアミドのみにキラル識別能が発現し、しかも結晶化度が高ければ高い程キラル識別能が向上した。本結果は、キラル識別能-結晶性-偶奇効果の関連を明らかにした最初の例である。 アンチ頭-頭ウンベリフェロン二量体からの光学活性ポリアミドについて検討するに当り、まずラセミポリアミドを合成しその性質を調べた。クマリン二量体からのポリアミドはアルカリ水溶液に安定であるのに対し、ウンベリフェロン二量体からのポリアミドはアルカリ水溶液中でその粘度が急激に低下した。そこでモデル化合物を用いて詳細に検討したところ、キノイドを経由する主鎖切断がその原因であることが分った。
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[Publications] Kazuhiko SAIGO: "Preparation,Chiroptical Properties,and Chiral Recognition Abclity of Carbamoylated Polyamides Having(-)-Anti Head-to-Head Coumarin Dimer Component" 337-340 (1989)
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[Publications] Kazuhiko SAIGO: "Optically Active Polyamides Consisting of Anti Head-to-Head Coumarin Dimer and α,ω-Alkanediamine,Odd-Even Discrimination in Chiral Recognition Abilcty" Macromolecules. 23. (1990)
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[Publications] Kazuhiko SAIGO: "Synthesis and Properties of Polyamides Having Anti Head-to-Head Umbelliferane Dimer asa Component" Macromolecules. 23. (1990)