1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01860014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大類 洋 東北大学, 農学部, 助教授 (20100050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕明 (株)東ソー, 主任研究員
赤坂 和昭 東北大学, 農学部, 助手 (10201881)
西田 芳弘 東北大学, 農学部, 助手 (80183896)
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Keywords | 9-acridinylmethyl ester / fatty acid / structural analysis / mass spectrometry |
Research Abstract |
9-ブロモメチルアクリジンにより穏和な条件下で脂肪酸を蛍光ラベル化した後、カラムクロマトグラフィ-により分離し、EIマス及びFABマススペクトルの測定を行い、以下の事を明らかとした。 i)9-ブロモメチルアクリジンと脂肪酸の反応により生成した蛍光性誘導体・9-アクリジニルメチル(9-AM)エステルは、FAB-マス測定では、〔M+1〕^+が非常に大きく現われ、脂肪酸の炭素鎖上の開裂に基づくフラグメントイオンの生成はあまり認められず、脂肪酸の分子量決定に非常に有効であった。 ii)9-AMエステルのEI(電子衝激)マススペクトルでは、(1)分子イオン(M^+)が比較的大きく現われた。(2)飽和脂肪酸では、メチレン基(-CH_2-)単位の開裂による14マスユニット(MU)間融のフラグメントイオンが規則的に現われた。(3)不飽和脂肪酸では、14MU間融のイオンに加え、二重結合を含む位置では特徴的に26MU間融のフラグメントパタ-ンを示した。(4)水酸基を含むヒドロキシ酸では、(2)(3)に加え、水酸基を含む位置で、29或は30MU間融のフラグメントパタ-ンを特徴的に示した。 以上の結果より、脂肪酸の9-AMエステルは、HPLC等の分離・分析手法を用いて各脂肪酸誘導体を分離・定量した後、オンライン或はオフラインでマスに導くことにより、脂肪酸の定量のみならず、その構造解析も可能となることが強く示された。特に、水酸基を有する脂肪酸では、これ以上の誘導体化を必要としなかったことから、簡便な方法となり得るものと期待できた。
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