1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01860014
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Research Category |
試験研究
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大類 洋 東北大学, 農学部, 助教授 (20100050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕明 東ソー(株), 主任研究員
赤坂 和昭 東北大学, 農学部, 助手 (10201881)
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Keywords | 9-ブロモメチルアクリジン / 蛍光分析 / 脂肪酸 / 高速液体クロマトグラフィ- |
Research Abstract |
本年度は、ヒドロキシ酸の反応条件、及び分離条件について検討した。9-Br・Maによる飽和、不飽和脂肪酸のラベル化条件と同じ条件でのヒドロキシ脂肪酸のラベル化について、ヒドロキシ脂肪酸としてリシノ-ル酸を用いDMF中、テトラエチルアンモニウム炭酸塩存在下、9-Br・Maと反応を行なったところ反応は飽和、不飽和脂肪酸同様、10分以内に完了し、良好な定量性も認められた。更に、リシノ-ル酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸、及び16-ヒドロキシヘキサデカン酸の各誘導体の逆相系カラム(ODS)によるHPLC溶出挙動を検討した。その結果、これらの脂肪酸の溶出位置は炭素数10の飽和脂肪酸誘導体と近い保持時間を示した。そこで、夾雑する多量の脂肪酸の影響を除く目的で、オンライン上でのクリ-ンアップと分離カラムへの導入システムの構築を試みた。その結果、クリ-ンアップ用のカラムとして4.6mm id×50mmのC8カラムを用い六万バルブによる流路切り替えにより目的の区間のみを分離カラムであるODSカラムに導入することにより、実験に用いた各ヒドロキシ酸を、試薬に由来するピ-クやその他夾雑する飽和、及び不飽和脂肪酸のピ-クの影響を受けずに分離・検出することが可能となった。 近年、生体内の過酸化脂質と老化やある種の疾患との関連が示唆されてきている。生体内で生じた過酸化脂質は主にグルタチオンペルオキシダ-ゼによりヒドロキシ酸へと還元され無毒化される。したがって、生体内のヒドロキシ酸レベルは脂質過酸化に連動している可能性がある。また、多様な生理活性を有するプロスタグランジンもヒドロキシ基を有しており、本法は、これら生体内では徴量と考えられる極性の高いヒドロキシ酸やプロスタグランジンを夾雑物質の影響を除いて分離・検出する手段として非常に有効であると考えられる。
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