1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01860031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Maebashi City College of Technology |
Principal Investigator |
中曽根 英雄 前橋市立工業短期大学, 建設工業科, 教授 (70015783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 益雄 前橋市立工業短大, 建設工業科, 助教授 (00113283)
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Keywords | アオコ / 加圧浮上 / 浮上分離 / カンガイ用水 |
Research Abstract |
本実験に先だって、加圧浮上法により、アオコの除去が可能かどうかを確認するための実験を行った。そして、加圧浮上法により、アオコの除去は非常に良好に行えることを確認した。その時、加圧浮上を行う前にそれが有効に働くよう、あらかじめ凝集剤を投入し、アオコのフロックを形成させて置かなければならない。その時利用した凝集剤は、アルミニウム系統のものであった。アルミニウム系統の凝集剤は、上水道の急速濾過に広に使われてきた。安全性の高い凝集剤である。しかし、除去したアオコを肥料として農業に利用する場合、高濃度のアルミニウムはリンを吸着し、肥効を低下させる恐れがある。そこで、今回の実験では鉄系統の凝集剤を使って実験を実施することにした。鉄は農地に還元されても、問題にならないからである。但し、良く知られているように、アルミニウムは軽金属であり、鉄は重金属である。したがって、鉄系統の凝集剤を利用した場合、形成されたアオコフロックの浮上特性が悪いのではないかとの懸念があった。このようなことから、鉄系統の凝集剤を使って、今回実験を行った。実験の場所は、群馬県前橋市の五科沼である。この沼を利用して養鯉が行われている。実験を実施した期間中のアオコ濃度は、SSとして30mg/l前後であった。そのような水質の水を汲み上げて実験を行った結果、鉄系統の凝集剤を使っても、アルミニウム系統の凝集剤とほとんど遜色のない除去率が得られた。鉄系統の凝集剤で問題となるのは、色である。例えば、必要以上に凝集剤を投入すると処理水が黄色になるということである。しかし、凝集剤の量を適切にコントロ-ルすれば、無着色で90%以上の除去率が得られる。このように、鉄系統の凝集剤を使った加圧浮上法においても、高いアオコの除去率を得られることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中曽根英雄,尾崎益雄: "加圧浮上法によるアオコの除去について" 農業土木学会誌. 56. 41-45 (1988)
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[Publications] 中曽根英雄: "浮上分離法を利用したアオコの処理" 水. 35-5. 21-24 (1990)
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[Publications] H.NAKASONE: "ON The Removal of Algae from Lakes and Ponds for Irrigation Water" Congress on Irrigation and Drainage,Transactions/ACTES. I-A. 251-261 (1990)