1991 Fiscal Year Annual Research Report
小型ピロプラズマ病の不活化ワクチンによる持続感染免疫の誘導
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01860042
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
石井 俊雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (20072449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 実 東北大学, 農学部付属農場, 助教授 (00005670)
佐伯 英治 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (80130730)
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Keywords | 小型ピロプラズマ / 放牧未経験牛 / 不活化ワクチン / Propionibacterium acnes / 持続感染免疫 / ELISA抗体 / 単球機能 |
Research Abstract |
1991年4月16日、放牧未経験のホルスタイン種雌2頭(それぞれ182および128日齢)を対象に,小型ピロプラズマ(以下小型ピロ)赤内型虫体抗原(以下抗原;総蛋白量600mg/頭)とPropionibacterium acnes死菌体(以下PAB:乾燥重量124.5mg/頭)の混合物5mlを腹腔内に接種した。さらに,その2週後に同用量の抗原を単独で追加免疫し,これに無処理対照のホルスタイン2頭(4月16日の時点でそれぞれ151および135日齢)を加えて,5月14日に東北大学農学部付属農場の長原牧区に放牧した。放牧後8月下旬までは1〜2週間間隔で採血し,血液学的諸検査とELISAによる抗体価の測定に供した。またMTT-DMSO法により,血中の単球の活性を測定した。 長原牧区はこれまで特別なダニ対策は講じておらず,従ってダニ分布密度が高いことから,試験開始当初より小型ピロの強い感染が懸念された。対照の1頭を除いて,入牧3週後の6月11日より虫体が末梢血塗抹標本上に見出され,6月18日には免疫処理群の2頭は虫体寄生赤血球(PE)率が9.6および15.5%を示し,ヘマトクリット値および赤血球数も緊急治療を要する範囲にまで低下したため,下牧加療措置をとった。対照の2頭も6月25日には治療を要する状況に陥ったため,下牧せしめた。その結果,虫体の寄生(PE)率は下降したが,完全駆虫は困難であり予後も不良であったため,8月下旬まで舎飼で経過した。 長原牧区の小型ピロ汚染が予想を上回って強かったため,本年度の試験成績から当初期待された成果を得ることはできなかったが,血中の単球の活性程度がPE率の推移に相関して変動する傾向が窺えたことから,PABなどマクロファ-ジ系細胞の活性化を高める手段を再検討し,タイレリア-牛系に特異的な免疫スケジュ-ルを確立することに期待が持たれた。
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[Publications] Akiba,M.,Saeki,H.,Ishii,T.,et al.: "Immunological Changes in Babesia rodhaini Infected BALB/C Mice after Treated ur'th Anti-Babesial Drug;Diminazene Diaceturate" J.Vet.Med.Sci.53(3). 371-377 (1991)
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[Publications] 佐伯 英治・田村 直彦・石井 俊雄他: "東北大学農学部附属農場における小型ピロプラズマ病の現状" 東北大学川渡農場報告. 7. 93-101 (1991)