1991 Fiscal Year Annual Research Report
赤外ファイバ-を用いた非接触型鼓膜温度連続測定装置の試作と規格化
Project/Area Number |
01870008
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80023646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 実 金沢大学, 医学部, 助手 (20217110)
櫻田 惣太郎 金沢大学, 医学部, 助手 (00215691)
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Keywords | 鼓膜温度 / 非接触型温度測定 / サ-モパイル / 高体温 / 選択的脳冷却 |
Research Abstract |
非接触型鼓膜温測定装置を試作し、それを用いてヒトが高温多湿環境にさらされた場合の選択的脳冷却機構の発現とその意義について解明することを目的として、この研究を行なった。1.非接触型鼓膜温度連続測定装置の試作改良。前年度までに試作した装置は、赤外ファイバ-の特性に基づき、外耳道温に大きく影響されることが判明し、実用化が困難との結論を得たので、赤外ファイバ-を使用しない方法の装置に切り換え、モデル実験と人体への応用を行った。その概略は下記のごとくである。(1)赤外線検知部分。イ.赤外線センサ-(熱電対56対)。ロ.外筒。ハ.先端部保護装置(2)温度校正器。2.装置の信頼度等についての検討。この装置は、非接触で応答が早く、測定が数秒であったが、鼓膜からの距離に依存して表示が変わる欠点が認められ、改良を試みた。3.接触型鼓膜温度センサ-との比較。サ-ミスタ素子による接触型のものと、実際に被験者を用いて、左右鼓膜で比較検討した。両者は、同一個人で無風、中性温度域では比較的良い相関を示したが、高体温時、特に顔面送風下などでは、接触型センサ-によるものより本装置によるものは温度が低く指示された。この装置も外耳道の温度変化の影響を受けると考えられ、この点の改良について検討した。また、鼓膜とセンサ-間の距離を各個人、各測定時に一定にすることが現時点では困難で、この装置は定性的な鼓膜温の観察には用いうるが、定量的な検討にはなお課題のあることが判明した。
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[Publications] NAGASAKA,Tetsuo: "Role of the veins of the face in brain cooling during body warming in human subjects." Japanese Journal of Biometeorology. 27. 113-120 (1990)
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[Publications] BRINNEL,Heiner: "The efficiency of selective brain cooling during hyperthermia in humans in upright versus supine position." Strahlentherapie and Onkologie. 166. 508- (1990)
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[Publications] HIRAI,Atsuo: "Enhancement of finger blood flow response of postprandial human subjects to the increase in body temperature during exercise." European Journal of Applied Physiology. 62. 221-227 (1991)
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[Publications] HIRASHITA,Masami: "Blood flow through the ophthalmic veins during exercise in humans." European Journal of Applied Physiology. 64. 92-97 (1992)
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[Publications] SAKURADA,Sohtaro: "Mechanism of vasoconstriction in the rat's tail when warmed locally." Journal of Applied Physiology. 71. 1758-1763 (1991)
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[Publications] 永坂 鉄夫: "ハイパ-サ-ミア-その生理と病態-" 日本温泉物理気候医学会雑誌. 55. 13-15 (1991)