1989 Fiscal Year Annual Research Report
HLA遺伝子導入マウスを応用したHLAアロ抗原に特異的な単クロ-ン抗体の開発
Project/Area Number |
01870026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 泰治 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10156119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60161551)
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
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Keywords | ヒト主要組織適合抗原系(HLA) / HLA-DQトランスジェニックマウス / 単クロ-ン抗体 / 細胞融合 / ハイブリド-マ |
Research Abstract |
我々はHLA-DQw6α鎖およびβ鎖遺伝子をC57BL/6(B6)マウスの受精卵に注入し、これを安定に継世代的に発現したトランスジェニックマウス(DQw6-B6)を樹立した。DQw6-B6はDQw6分子に対して抗体産生およびリンパ球混合培養反応を示さず、免疫学的寛容を獲得していると考えられた。またDQw6-B6はDQw6分子に拘束された溶連菌抗原に対する免疫応答性を獲得し、発現されたDQw6分子が免疫学的機能を有していることが証明された。HLAクラスII分子、特にDQ分子のアロ抗原性を識別するような単クロ-ン抗体の作製を目指して、DQw6-B6をC3Hと交配して得たDQw6-BCF_1にDQw6と同じDQw1系抗原に属するDQw5(DQA1*0101-DQB1*0501-DR1/Dw1)、DQw5(DQA1*0102-DQB1*0502-DR2/Dw21)あるいはDQw6(DQA1*0102-DQB1*0602-DR2/DW2)に関する、それぞれホモ接合体Bリンパ芽球様細胞株の混合物を腹腔内に2回免疫した。脾細胞をハイブリド-マ親株であるP3U1とポリエチレングリコ-ルを用いて融合し、HAT選択培地によりハイブリド-マを樹立した。その培養液中の抗体の特異性を、固相に固定したヒトBリンパ芽球様細胞株を標的とした酵素抗体法により同定したところ、細胞株に発現された多型を識別するものが多数同定された。DQに対する特異性を既存の抗DQ単クロ-ン抗体による結合阻止実験およびDQ遺伝子を発現したマウスL細胞トランスフェクタントを利用して決定したところ、免疫原であるβ細胞株に発現されたDQ分子のアロ抗原性を識別するものが数種類同定された。今後他のDQ分子を発現したβリンパ芽球細胞株を免疫して、さらに多くの抗DQ単クロ-ン抗体を作製する予定である。また現在解析中のHLA-DRトランスジェニックマウスの応用により抗DR単クロ-ン抗体の作製を計画中である。
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[Publications] Y.Nishimura: "Expression of human major histocompatibility complex,HLA-DQw6 genes alters the immune response in C57BL/6 mice"
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[Publications] Y.Fukui: "Glycosuria and insulitis in NOD mice expressing the HLA-DQw6 molecule" Journal of Immunogenetics.
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[Publications] K.Honda: "Hashimoto thyroiditis and HLA in Japanese." Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 69. 1268-1273 (1989)
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[Publications] T.Sasazuki: "“Expression and function of human major histocompatibility complex HLA-DQw6 genes in the C57BL/6 mouse"in Cold Spring Harbor Symposium on Quantitative Biology,vol 54" Cold Spring Harbor Laboratory, 10 (1989)
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[Publications] T.Sasazuki: "“Differential roles of HLA-DR and DQ in immune regulation in Progress in Immunology VII" Springer Verlag,Berlin, 7 (1989)