1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01870037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝島 任 東北大学, 医学部, 教授 (20004765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 喜博 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20195217)
飛田 渉 東北大学, 医学部, 講師 (10142944)
井上 洋西 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (40133962)
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Keywords | 呼吸筋酸素消費量 / 死腔負荷 / 抵抗負荷 / 慢性閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
慢性呼吸不全の病態の解明において、呼吸筋酸素消費量の測定は呼吸筋の効率を評価する上で重要な課題である。従来の呼吸筋酸素消費量の測定は手技が煩雑で長時間要するなどの欠点があった。本研究の最終目的は、死腔負荷連続可変装置を開発し、これを負荷することにより、呼吸筋酸素消費量を分時換気量の関数としてコンピュ-タによるオンラインシステムで容易かつ短時間に求めることができる装置を開発することであった。本年度はその二年度目であった。本年度の第一の目的は、可変抵抗負荷装置の開発であった。種々の吸気抵抗、吸気抵抗の負荷装置を開発し、呼吸筋に種々の抵抗負荷時の呼吸筋酸素消費量が可能となり、初期の目的は達せられた。第二の目的は、死腔負荷連続可変装置の小型化であった。前年度開発したのは直径1メ-トルのアクリル板を使用した死腔負荷装置で、極めて大きい装置であったのでこれを円筒表面をラセン状に回転しながら蛇腹状チュ-ブを伸展させることによる装置を考えたが、まだ完成には至っていない。リニアリティ-の点でまだ問題が残されている。第三の目的は呼吸筋酸素消費量をコンピュ-タで自動解析するソフトウェアの開発であった。気流速度とその積分より換気量を求め、ガス分析器より呼気ガス酸素濃度を求めマイクロコンピュ-タで一呼吸ごとに全体の酸素消費量を求めるソフトウェアの開発がなされ、運動負荷時の測定に応用された。第四の目的は各種疾患の呼吸筋酸素消費量の測定であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)における呼吸筋酸素消費量を測定した。COPD患者では健常者に比し僅かの換気量の増加で呼吸筋酸素消費量が増加し、呼吸筋の効率の低下が明らかになった。これらの結果の一部は内外の学会で発表され高い評価を受けた。以上の如く、一部は今後の研究課題として残されたが、全体として初期の目的は達し得たと思われる。
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[Publications] Tamotsu Takishima,Chiyohiko Shindoh,Yoshihiro Kikuchi,Wataru Hida and Hiroshi Inoue: "Aging effect on oxygen consumption of respiratory muscles in humans" J.Appl.Physiol.69. 14-20 (1990)