1991 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ抗体を用いた肺小細胞癌の画像診断と治療法の関発
Project/Area Number |
01870040
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Research Institution | Univ. of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 哲郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80169135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 弘一 東京大学, 医学部(病), 助手
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Keywords | 肺小細胞癌 / モノクロ-ナル抗体 / 抗原 / cDNA |
Research Abstract |
本年度は肺癌に対するモノクロ-ナル抗体TFS-2に放射性同位元素を結合させ、タ-ゲッティングによる放射線治療を行うため、TFS-2の抗原を分離し、又そのcDNAクロ-ニングを行い、これらを用いてTFS-2に対する新規なモノクロ-ナル抗体を多種類作成し、これらに放射性同位元素を標識し、小細胞癌の治療法を完成させることを目的とした。TFS-2はテクネシウム標識により、小細胞癌や非小細胞癌の組織に選択的に集積することがImaging studyで判明した。又、 ^<181>Iや ^<186>Re等の治療用アイソト-プと結合させることにより動物実験ではヌ-ドマウス移植腫瘍を縮小させることが判明している。しかし、人体に ^<181>Iや ^<186>Reを標識したTFS-2を投与した場合はeffective doseにまで投与量を増大させることができず、治療効果は得られなかった。そこで我々はTFS-2の認識する抗原を分離しTFS-2が認識するepitopeとは異なるepitopeを認識する新たな抗体を多種類作成し、これらを ^<181>Iや ^<186>Reで標識し、カクテルにして患者に投与することにより小細胞癌に対するeffective doseを得ることが可能と考えた。その結果、TFS-2をセファロ-スに結合させたアフィニティカラムを用いてヒト肺小細胞癌組織よりTFS-2の認識する抗原を精製した。抗原は分子量約40,000と33,000の2種類のバンドとして得られた。又、ヒト肺小細胞癌よりcDNAライブラリ-を作成し、これをexpression vectorに組み込んでCOS-1で発現させ、 ^<125>I標識TFS-2を用いてスクリ-ニングしたところ単一のクロ-ンを得た。現在、精製抗原を用いて新しいモノクロ-ナル抗体を作成中である。得られたcDNAクロ-ンの塩基配列を解析中である。
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[Publications] Umezawa.Y.et.al: "Identity of brain-associated small cell lung cancer antigen and the CD56 (NKH-1/Lev19)leukocyte differentiation antigen and the neural cell adhesion molecule." Jpn.J.Clin.Oncol.21. 251-255 (1991)
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[Publications] 岡部 哲郎: "肺癌とモノクロ-ナル抗体" Medicina. 28. 504-507 (1991)