1989 Fiscal Year Annual Research Report
心室筋活動電位のコンピュ-タ・シミュレ-ションとそのソフト開発
Project/Area Number |
01870043
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 裕司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00181181)
沢登 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00014217)
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Keywords | 心室筋活動電位 / コンピュ-タ・シミュレ-ション / 膜電流 / 活動電位再分極相 / 不整脈のシミュレ-ション |
Research Abstract |
心筋の活動電位成因の理解を深めるために近年のパッチ・クランプ法で得られた電流解析から得られた成績をもとに、心筋活動電位のコンピュ-タ・シミュレ-ションを行った。先ず、Ba^<2+>による単離心室筋細胞での自動能誘発機序を内向き整流K^+電流(I_<KI>)への作用から検討した成績をもとに、Beeler and Reuterの心室筋モデルを用いてシミュレ-ションを行った。その結果、Ba^<2+>誘発性自動能はよく再現出来たが、再分極相のシミュレ-ションは実際のものとは多少異なる波形が得られ不充分な成績であった。その理由の一つとして本モデルにはNa^+-Ca^<2+>交換電流やNa^+-K^+ポンプ電流などの新しい電流系が組み入れられていないことが考えられた。そこで、これらの要素も含まれているプルキン工線維でのモデルであるDi Francesco and Nobleのモデルを改変してみた。この際これまで分析の不充分であった遅延整流K^+電流(I_K)について実験的に解析を行って、この電流にCa^<2+>電流として流入するCa^<2+>により活性化される成分のあることを見出した。そこで、我々の分析結果を組み入れ、さらに本モデルの電流系を心室筋細胞で得られたものに組みかえてシミュレ-ションを行った。その結果心室筋活動電位の再分極相の変化を実験成績と対比して再現することが出来た。さらに、これにより生理的な条件変化、例えば刺激頻度・温度・細胞外K^+濃度変化などに対応した再分極相の変化を再現し得るか検討を続けている。本シミュレ-ションの応用としてリエントリ-性の不整脈のシミュレ-ションを興奮性素子モデルで行い実験成績をよく再現出来た。この興奮性素子を実際の膜電流を持つ細胞単位として取り扱えるよう研究を続ける予定である。本研究で購入したコンピュ-タ及びその付属品は本研究に極めて有効に使用された。またデ-タ-レコ-ディングシステムやビデオテ-プレコ-ダは本シミュレ-ションの元になる電流解析の実験に使用され、極めて有用であった。
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[Publications] Hirono,Y.and M.Hiraoka: "Barium-induced automatic activity in isolated ventricular myocytes from guinea-pig hearts." J.Physiol.395. 455-472 (1988)
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[Publications] 平野裕司,沢登徹: "リエントリ-不整脈のシミュレ-ション" 心電図. (1990)
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[Publications] Hirono,Y.,T.Sawanobori and M.Hiraoka: "Computer simulation of ordered and random reentry in the network of excitable elements"
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[Publications] 平野裕司,范錚: "心筋活動電位再分極相のシミュレ-ション" 第2回心臓電気現象コンピュ-タモデルを考える会(東京). (1989)
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[Publications] Hiraoka,M.and Z.Fan: "Ca^<2+>-dependent component of delayed outward K^+ current in guinea-pig ventricular myocytes." Biophys.J.55. 45a (1989)