1990 Fiscal Year Annual Research Report
鉄を用いた新しい核磁気共鳴画像(MRI)造影剤(肝臓の病態の解析)
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01870048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安里 令人 京都大学, 医学部, 講師 (80175166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 啓吾 京都大学, 医学部, 助教授 (10115800)
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Keywords | 核磁気共鳴画像法 / MRI / 磁化率の不均一分布 / T2^*効果 / 造影剤 |
Research Abstract |
本年度は、緩和時間および磁化率の不均一分布効果(T2^*効果)につき、実質内出血や特異な変性疾患を対象として理論的に検討した。その結果、鉄を用いた造影剤や鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどの金属の塩は極めて特異なNMR画像上の低信号域を示すことを明らかにできた。このT2^*効果は従来から用いられてきたスピン密度画像やT1強調画像よりも、高速スキャン法によるT2^*強調像を用いることによってより効果的に画像化できることを、理論的に明かにした。このT2^*効果は、場合によっては病変部位と周囲正常組織とのコントラストを低下させる為、鉄を用いた造影剤の効果を判定する場合に留意すべきであることが明かとなった。そのような例では、むしろT1強調効果に依存する従来からの常磁性緩和試薬を用いた造影剤が有用であることを示した。このような解析に、前年度に導入したスペクトロスコピ-法が極めて有用であることが示唆された。前年度にひき続き画像デ-タ-解析のための、パ-ソナルコンピュ-タ-を用いたデ-タ-ベ-スを構築し、臨床デ-タ-を蓄積した。鉄を用いた造影剤で示されるT2^*効果は、門脈圧亢進症などある種の肝臓の病態をNMR画像を用いて解析するのに極めて有用であることを原理的に明かにした。また、このことを臨床モデルを用いて明かにした。実験的肝腫瘍の診断における効果に関しても明かにし得た。 鉄を用いた核磁気共鳴画像(NMR画像)用造影剤は従来から用いられている常磁性緩和試薬を用いたNMR画像用造影剤とは作用機序が異なる。鉄を用いた造影剤は品質管理がとりわけ重要である。生体に投与し得る、粒子の揃った造影剤の開発が、臨床応用に向かっての最大の課題となるであろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Reinin Asato: "“Fogging effect" in MR of cerebral infarct" Journal of Computer Assisted Tomography. 15. 160-162 (1991)
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[Publications] Hiroshi Yamauchi: "White matter hyperintensities may correspond to area of increased blood volume:Correlative MR and PET observation" Journal of Computer Assisted Tomography. 14. 905-908 (1990)
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[Publications] Ryousuke Okumura: "Fatty filum terminale:Assessment with MR imaging" Journal of Computer Assisted Tomography. 14. 571-573 (1990)
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[Publications] Kyoko Tamaki: "Magnetic resonance imaging in relation to EEG epileptic foci in tuberous sclerosis" Brain and Development. 12. 316-320 (1990)
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[Publications] Shinーichi Miyatake: "Cobb's syndrome and its tretment withembolization" Journal of Neurosurgery. 72. 497-499 (1990)
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[Publications] Yasutaka Kawamura: "Use of magnetite particles as a contrast agent for MR imaging of the liver" Radiology. 174. 357-360 (1990)