1989 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞形成を指標とした骨吸収調節因子の簡便なスクリ-ニング法の確立
Project/Area Number |
01870078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 崇寿 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50129839)
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 講師 (90119222)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨吸収調節因子 / 骨吸収 / マウス骨髄細胞培養 / 骨髄由来ストロ-マ細胞 |
Research Abstract |
〔1〕マウス骨髄細胞培養系を用いた骨吸収因子のスクリ-ニングと作用機作の検討 (1)骨器官培養系で強力な骨吸収能を有するPTHと悪性腫瘍に於ける高Ca血症の惹起因子であるPTH様ペプチド(PTHrP)は、マウス骨髄細胞培養系で破骨細胞形成を促進した。また、PTHrPによる破骨細胞形成促進作用はPTHレセプタ-を介したものであることが、PTH antagonistを用いた実験より示された。更に、PTHとPTHrPによる破骨細胞形成促進作用はcAMP及び細胞内Caがsecond messengerとして関与していることが示された。 (2)強力な骨吸収活性を有するIL-1も、本実験系で破骨細胞の形成を促進した。その作用発現において、IL-1α及びIL-βはほぼ同等の活性を示した。本実験系において、IL-1はPGE_2の産生を促進し、また、indomethacinの添加はIL-1により誘導されるPGE_2産生とともに破骨細胞形成を完全に抑制した。以上の知見より、IL-1の破骨細胞促進作用はPGE_2を介すること強く示唆された。 〔2〕破骨細胞形成に対する骨芽細胞の役割の解明 頭蓋骨より採取した骨芽細胞様ストロ-マ細胞と脾細胞の共存培養系で、1α25(OH)_2D_3、PTH、PGE_2、OL-1等の骨吸収因子が破骨細胞の形成を促進することが認められた。また、骨髄由来株化ストロ-マ細胞(MC3T3-G2/PA6、ST2)にも脾細胞画分から破骨細胞の形成を支持する能力があることが明らかとなった。すなわち、これらのストロ-マ細胞と脾細胞の共存培養系は、骨吸収因子のスクリ-ニングと作用機作の解明に極めて有用であろうと思われた。更に、破骨細胞の形成には、破骨細胞の前駆細胞とこれらのストロ-マ細胞との直接接触が必要であることが明らかにされ、両細胞間に形成される微細環境の破骨細胞の分化に対する重要性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sasaki,T.: "Multinucleated cells formed on calcified dentine from mouse bone marrow cells treated with 1α、25-dihydroxy-vitamin D_3have ruffled borders and resorb dentine" Anatomical Record. 224. 379-391 (1989)
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[Publications] Akatsu,T.: "Parathyroid hormone(PTH)-related protein is a potent stimulator of osteoclast-like multinucleated cell formation to the same extent as PTH in mouse marrow cultures" Endocrinology. 125. 20-27 (1989)
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[Publications] Udagawa,N.: "The bone marrow-derived stromal cell lines MC3T3-G2/PA6 and ST2 support osteoclast-like cell differentiation in cocultures with mouse spleen cells" Endocrinology. 125. 1805-1813 (1989)
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[Publications] Suda,T.: "Role of vitamin D in osteoclast formation" Advances in Endocrinology. 4. 25-36 (1989)
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[Publications] Martin,T.J.: "Bone cell physiology" Endocrinology and Metabolism Clinics of North America. 18. 833-857 (1989)
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[Publications] Suda.T.: "The role of vitamin D in bone and intestinal cell differentiation" Annual Review of Nutrition. 10. 195-211 (1990)