1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01870080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 温重 東京医科歯科大学, 歯学部, 文部教官教授 (40045985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和子 東京医科歯科大学, 歯学部, 文部教官助手 (50046083)
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Keywords | 細胞毒性試験法 / ヒト歯髄細胞 / SV40DNA / 培養細胞 |
Research Abstract |
歯科材料のヒトにおける安全性をより適確に、より高感度で予知できる細胞毒性試験法を開発するためにその基本となる臓器特性を有する高感受性の歯髄由来の試験細胞の開発を遺伝子工学的手法を導入して試みた。さらに得られた培養細胞の歯髄細胞としての分化機能の維持について検討した。 1.ヒト抜去歯より分離した歯髄細胞を10%血清添加Dulbecco改変Eagle培地中で培養した。培養歯髄細胞に対し、SV40ウィルスDNAのlarge T領域とgenticin耐性遺伝子領域PSV2neoからなるpMT1-neoをカルシウム,リン酸共沈法で導入し、多数のコロニ-を分離した。増殖性が高く、アルカリホスファタ-ゼ活性の高いコロニ-を選択し、長期継代培養続けることにより100代以上継代可能な歯髄由来樹立細胞株を得ることに成功し、LSC細胞と命名した。 2.LSC細胞は線維芽細胞株形態を有し、軟寒天培地中で増殖不能であり、染色体数はモ-ド63で部分形質転換細胞であった。また、アルカリホスファタ-ゼ活性を歯髄組織と同程度保有していた。同酵素は熱変性、阻害剤に対する反応から骨/肝/腎型であり、その活性は対数増殖期で低く、増殖静止期に最大となった。アルカリホスファタ-ゼ活性は1α、25(OH)_2ビタミンD_310^<-9>またはβ-グリセロリン酸5mMとビタミンC50μg/ml添加で促進された。またビタミンC存在下でコラ-ゲン合成能を示した。 以上のことからLSC細胞は歯髄組織の特性を部分的に保有している細胞であり、歯科材料の毒性試験用細胞として有用と考えられ、今後毒性試験への応用を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Rikitake Y.et al: "A newly established cell line derived from the human dental pulp" Proc.Jap.Acad.65. 187-190 (1989)
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[Publications] 力武康次: "ヒト歯髄由来培養細胞のプラスミドpMT1-neo遺伝子導入による不死化について" 口腔病学会雑誌. 56. 540-561 (1989)