1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01870084
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Research Institution | Asahi University, School of Dentistry |
Principal Investigator |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 紀子 朝日大学, 歯学部, 助手 (00210865)
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助手 (60076057)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
後藤 隆泰 朝日大学, 歯学部, 講師 (30121320)
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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Keywords | 人工代用骨 / アパタイト / コラ-ゲン / 骨置換材 / 生体親和性 / アルカリフォスファタ-ゼ |
Research Abstract |
コラ-ゲンとしてシ-ト状アテロコラ-ゲンを用い、前年度と同じ手法でフォスビチンを架橋し、βグリセロリン酸カルシウム溶液に浸漬し、アパタイトを析出したものを、自己硬化型アパタイトセメントの硬化促進材として利用し、アパタイト部の相対密度を高めたアパタイト-コラ-ゲン複合体を開発した。アパタイトを析出させたシ-トコラ-ゲン3枚を金型中で自己硬化型アパタイトセメント粉中に、50MPaの予備成型圧で積層したものを、ささに油圧下にて600MPaで加圧成型して圧粉体を得た。この圧粉体を2週間水中浸漬してセメント部をアパタイトに転換することにより最終目的物としてのアパタイト-コラ-ゲン複合体を試作した。この複合体の相対密度は2.48g/cm^3と、再繊維化コラ-ゲンを用いて作製した複合体のもの(0.5g/cm^3)に比べると約5倍高くなっている。4点曲げ強度は、最大荷重表示で2.3±0.4MPaで、シ-トコラ-ゲンの弾性率を無視し、試料の大きさから強度を概算すると3.3±0.7MPaとなった。試料片が同じ大きさのアパタイト-単味の強度は11.1±2.1MPaで、複合体のもに比べ約3倍となり、強度に関しては積層したコラ-ゲンシ-トが何らの役目も果たしていないことが示唆された。しかしながら、アパタイト単味の硬化体は荷重下では、わずかな変位の後にすぐに破壊するという典型的な脆性破壊をを示したのに反し、本研究で開発した複合体は、上述したように強度は1/3弱と小さいものの、変位量は極めて大きく、荷重一変位曲線の面積から算出した、破壊に必要なエネルギ-は、アパタイト単味の硬化体に比べ約10倍大きいことが認められ、シ-トコラ-ゲンが靱性の向上に著しく寄与することが示された。将来積層枚数、積層方向並びにシ-トコラ-ゲンの厚さ及び密度を種々検討することにより、より強度並びに靱性優れた人工代用骨が製作できるものと期待できる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yutaka Doi et al.: "Osteonectin Inhibiting De Novo Formation of Apatite in the Presence of Collagen" Calcif.Tissue Int.44. 200-208 (1989)
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[Publications] 堀口 敬司他: "アパタイト-コラ-ゲン複合体-複合体製作の可能性-" 歯材器誌. 9. 863-870 (1990)
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[Publications] 堀口 敬司他: "アパタイト-コラ-ゲン複合体 II.石灰化溶液の検討" 歯材器誌. 10. 814-819 (1991)
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[Publications] 若松 宣一他: "金属表面にコ-ティングしたハイドロキシアパタイト層の焼結収縮" 歯材器誌. 11. 65-76 (1992)
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[Publications] Yutaka Doi et al.: "Effects of non-collagenous proteins on the formation of apatite in calcium β-glycerophosphate solutions." Archs oral Biol.37. 15-21 (1992)
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[Publications] Yutaka Doi et al.: "Apatite-collagen complex as bone substitute." J.Dent.Res.
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[Publications] Yutaka Doi et al.: "Self-setting apatite Cement.New materials as canal filling and bone substitute" Materials Research Society, 6 (1989)
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[Publications] Yutaka Doi et al.: "Effects of enamel,bone and dentin matrix proteins on precipitation of calcium phosphate in agorose gel." Florence Publishers, 9 (1989)