1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01880002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (40005517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学部, 助手 (70207653)
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Keywords | プラズマプロセス / プラズマエッチング / プラズマCVD / 表面磁場 / 多極磁場 / 高周波放電 / フラグメンテ-ション / プラズマ・表面相互作用 |
Research Abstract |
高性能の超微細プロセスを可能にするには、基板へ入射するイオンの速度ベクトルの向きと大きさがそろっており、大口径で一様なビ-ムであること、また、損傷を与えない程度に低エネルギ-であること、などの条件を満たす必要がある。これらの条件をクリアするには放電の低圧力化、大口径化、低プラズマ密度化が求められる。このような要請に応えるために、本研究では表面磁場(磁場壁)中の誘導型高周波放電プラズマを提案し、その開発を進めた。 初年度の研究において、永久磁石を用いる表面磁場によって放電が2×10^<-5>の超低圧まで維持できること、プラズマ電位が20V程度まで低くできること、直径40cm程度の一様なプラズマが得られること等を明らかにした。本年度は、プラズマ中に挿入された小さな電極にバイアスを印加して、広い範囲でプラズマ電位を制御できることを実験的に見い出し、この結果を理論的に説明した。また、高周波の投入電力を増強してプラズマの高密度化を試み、10^<10>〜10^<11>/cm^3の密度を得ることに成功した。さらに、アンテナ導体の表面を絶縁することが重要と分った。 一方において、研究の途上で見い出された特異な現象、すなわち、プラズマ・表面相互作用によって電極近傍が異常に発光する現象の解明もおこなった。その結果、異常発光は高エネルギ-で入射した粒子が表面衝突と同時に小さなフラグメントに分解して、励起状態のラジカルビ-ムが表面から飛び出すためと判明した。このプラズマ異面過程は、薄膜の堆積やエッチングの機構解明において重要であるばかりでなく、将来、新しいラジカルビ-ム源を開発する研究に結びついていく可能性を秘めた興味深い現象である。
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[Publications] T.Shirakawa他: "RF Plasma Production at uetralow Pressures with Surface Magnetic Confinement" Japanese Journal of Applied Physics. 29. L1015-L1018 (1990)
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[Publications] Y.Yamashita他: "IonーInduced Radical Production on Surfaces during Deposition of Hydrogenated Amorphous Carbon" Journal of Applied Physics. 68. 3735-3737 (1990)