1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01880016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
八木 達彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (00021882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 秀幸 静岡大学, 教育学部, 助教授 (10159824)
岡田 嚴太郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (70021904)
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Keywords | セルロ-ス / 化学修飾 / 染色性 / 銅イオン / アリル化 / 2,3ージブロモプロピルセルロ-ス / セルラ-ゼ / 分子鎖配向性 |
Research Abstract |
1.八木は澤渡(昨年度の研究協力者,カナダー公務出張のため本年度は途中まで協力)との共同研究で,セルロ-スを温和な条件で機能化する方法を開発し,職務発明として特許を申請した。この方法では,セルロ-スをアリル化した後2,3ージブロモプロピルセルロ-スに変換,この物質とアミノ基をもつリガンド分子(各種アミン,生体物質等)を混合し,37℃で数時間ないし十数時間インキュベ-トすることにより各種アミンをセルロ-スに共有結合させることができる。この方法で調製した誘導体は3ーヘキシルアミノ,3ー(6ーアミノヘキシルアミノ),3ー(4ースルファニリノ),3ーピリミジノー2ーブロモプロピルセルロ-ス,FADーセルロ-ス,シトクロムC_3ーセルロ-ス等がある。常温で結合しないチオ-ルは高温で共有結合した。またトリエチル亜リン酸との高温での反応ではセルロ-スのスルホン酸誘導体も合成できた。得られた誘導体は微生物セルラ-ゼに対する抵抗性,銅イオンに対する選択的吸着性,大容量のイオン交換性,イオン性色素に対する強い吸着性をもっていた。シトクロムC_3ーセルロ-スはヒドロゲナ-ゼに対する電子キャリア-活性を保持していた。 2.岡田は,黴,菌類や細菌セルロ-スの生産,セルロ-スからのセロオリゴサッカライドの生産性に関する研究を進めた。セルラ-ゼの研究では,βーグルコンダ-ゼ(セルラ-ゼの1種)を利用したゲンチオオリゴ糖(βー1,6ー結合をもつセルロ-ス類似体)の生産と機能性食品としての応用の道を開いた。 3.板垣は蛍光寿命測定等の光物性的手法を用いてーセル化セルロ-スのグルコ-ス単位が硫酸中では脱水され,発光性芳香環となることを発見し,溶液中のセルロ-ス鎖の分子運動に関する知見を得た。 以上,各分担者は専門性を活かして協力し,研究目標を達成した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] C.Sawatari: "Introduction of amino groups into cellulose via 2,3ーdibromopropylーcellulose under mild conditions" Senーi Gakkaishi. (1991)
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[Publications] 岡田 嚴太郎: "セルラ-ゼ研究の進歩と今後の展開" バイオサイエンスとインダストリ-. 48. 11-18 (1990)
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[Publications] Y.Kuba: "Production of celloーoligosaccharides by enzymatic hydrolysis in the presence of activated carbon" Enzyme Microb.Technol.12. 72-75 (1990)
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[Publications] H.Itagaki: "Local molecular motion of polystyrene model compounds measured by picosecond pulse radiolysis.3.Diastereomeric styrene dimer,trimer,and tetramer in poly(methyl methacrylate) solid solution" Macromolecules. 23. 1686-1690 (1990)
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[Publications] H.Itagaki: "Sulfuric acidーinduced fluorescence of cellulose and its derivatives" Polymer Bulletin.