1990 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアをタ-ゲットとした選択毒性を有する新しい制癌剤と癌診断薬の開発
Project/Area Number |
01880022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樋口 富彦 徳島大学, 薬学部, 助教授 (50035557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 義和 住友製薬株式会社, 医薬開発部, 部長
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Keywords | ミトコンドリア / 制癌剤 / 癌診断薬 |
Research Abstract |
平成2年度に得られた重要な成果として下記の2点を上げることができる. 1)肉腫由来癌細胞(Sarcoma 180)や白血病由来細胞(P388)等の分裂速度の速い癌細胞は,正常細胞に比較して解糖系の活性が高いことが知られているが,今回その原因がミトコンドリアの外膜に結合しているhexokinase量が顕著に上昇していることによることが明らかになった.従って,もしこの活性をも抑えることができれば,より低濃度の今回開発中のミトコンドリアをタ-ゲットとした制癌剤で癌細胞の増殖を選択的に抑制し,より毒性を軽減できることが予測された. 2)平成元年度に,申請者らは,ラット肝から機能の異なると思われる3種類のタイプのミトコンドリアに分けて単離精製できることを発見した:一つは,常法によって得られるミトコンドリア(I型)であり,二つめは,I型の約1.2倍の呼吸活性とATP生成能を有するII型,そしてもう一つのタイプは,蛋白質合成活性が高いIII型である.本年度は,III型のミトコンドリアの蛋白質合成活性が,細胞内のセカンドメッセンジャ-であるInosi tol triphosphateによって顕著に増加されることを今回初めて明らかにした.III型ミトコンドリアは電顕的にも確かにミトコンドリアと同じ形態をしていること,そしてパ-コ-ルによる密度勾配遠心により従来のミトコンドリアに比較してはるかに密度が軽いことが確証され,全く新しいタイプのミトコンドリアであることが明らかになった.本研究で開発中の制癌剤は,I型とII型のミトコンドリアのATP合成を阻害するが,III型のミトコンドリアのエネルギ-変換活性に対する作用は若干低いことが明らかになった.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Muraguchi,M.: "Stoichiometry of Chargerin II (A6L) in the H^+ーATP Synthase of Rat Liver Mitochondria" Biochem.Biophys.Res.Commun.168. 226-231 (1990)
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[Publications] Tsurumi,C.: "cDNA Cloning and Sequencing for the Import Precursor of Subunit B in H^+ーATP Synthase from Rat Mitochondria" Biochem.Biophys.Res.Commun.169. 136-142 (1990)
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[Publications] Higuti,T.: "cDNA Cloning and Sequencing for the Import Precursor of Coupling Factor 6 in H^+ーATP Synthase from Rat Liver Mitochondria" Biochem.Biophys.Res.Commun.171. 1079-1086 (1990)
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[Publications] Higuti,T.: "A Hydrophobic Protein,Chargerin II,Purified from Rat Liver Mitochondria Is Encoded in the Unidentified Reading Frame A6L of Mitochondrial DNA" Plenum Press. 273-280 (1990)
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[Publications] Yoshihara,Y.: "H^+ーATP Synthase from Rat Liver Mitochondria.A Simple,Rapid Purification Method of the Functional Complex and Its Characterization" Biochemistry. (1991)
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[Publications] Inoue,I.: "ATPーsensitive K^+ Channel in the Mitochondrial Inner Membrane" Nature. (1991)
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[Publications] 樋口 富彦: "機能性膜タンパク質[エネルギ-変換系]「生体を構成する高分子とその機能」岡田芳男編集," 広川書店, (1991)
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[Publications] 樋口 富彦: "蛋白質と遺伝子のコンピュ-タによる解析法「細胞・抗体・遺伝子の基礎実験法」堀尾武一監修" 南江堂, (1991)