1989 Fiscal Year Annual Research Report
高精度示差走査熱量計による高温熱容量の直接測定法の開発
Project/Area Number |
01880025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (90010735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前園 明一 (株)真空理工, 研究総主幹
神本 正行 電子技術総合研究所, 室長
米岡 俊明 東京大学, 工学部, 助手 (40013221)
寺井 隆幸 東京大学, 工学部, 助教授 (90175472)
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Keywords | 示差走査熱量計 / 熱容量 / 3試料同時測定方式 / 核燃料 / 溶融塩 / 液体金属 |
Research Abstract |
原子力技術の高度化にともない、種々の新材料が開発されつつあるが、これらの材料の高温熱物性はその評価のために極めて重要である。示差走査熱量計(DSC)は、従来から熱容量および熱量の簡便な測定手段として広く受入れられているが、その測定温度範囲は現在のところ1000K以下であり、これ以上の温度範囲では、装置の健全性や測温方法などに問題があり、熱容量測定には大きな困難がある。本研究では、室温から1500Kにおいて、従来の装置と比較して、さらに簡便かつ高精度(2%)で熱容量が測定できる示差走査熱量計を試作し、本装置を用いて、セラミックス核燃料や金属燃料などの固体材料、および溶融塩や液体金属などの高温融体材料の熱容量測定方法を研究開発することを目的としている。本年度は2年計画の初年度であり、以下の作業を実施した。 (1)全体システムの設計検討 1500Kまでの高温において、2%の精度で熱容量を測定できる装置の全体システムの設計を行なうために、従来から広く使用されている示差走査熱量計の問題点を摘出し、その改良項目の技術的可能性を検討し、その結果をもとに本装置の設計を行なった。特に、高温において高い精度を有すると考えられる、3試料同時測定方式を新たに採用する事とした。 (2)試作装置各部の設計および製作 (1)で得られた全体システム設計をもとに、試作装置各部の設計を行ない、その妥当性を検討し、製作を行なった。 (3)試作装置の試験 試作装置の性能試験を行なった。標準試料を用いて、測定を行ない、装置の健全性、測定精度、測定温度範囲等のデ-タを求めた。本検討でえられた成果は、第2年度に実施予定である試料容器性能の改良へとフィ-ドバックされる予定である。
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[Publications] Y.Takahashi et al.: "High Temperature Enthalpy Measurements on Lithium Ceramics and Their Derived Heat Capacities" Proceedings of the Second Asian Thermophysical Properties Conference. 303-307 (1989)
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[Publications] Y.Takahashi et al.: "Latent Heat of Thermal Storage Materials for Space Use at High Temperatures" ibid. 567-572 (1989)