2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00084
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西方 篤 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE J. ?R. 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 炭素鋼 / 交流インピーダンス法 / 腐食モニタリング / 土壌腐食 |
Research Abstract |
地下土壌中に埋設されたガス管などの金属施設物の腐食による劣化が評価できる技術の開発は、安全工学上や経済上、極あて重要な問題である。したがって、埋設物の金属材料の腐食速度や腐食環境のモニタリングは、これらの腐食機構の解明と材料の余寿命推定にも重要である。本研究では、金属埋設物の腐食機構の解明、特にモニタリング技術の開発のための基礎として、ACインピーダンス法による炭素鋼の腐食モニタリングを行い、炭素鋼の腐食挙動について考察を行った。主な研究結果を以下に整理した。 ○炭素鋼の分極特性に及ぼす酸素と塩化物イオンの影響 炭素鋼(SM490A鋼)の腐食は、酸素濃度と塩化物イオン濃度によって異なる腐食挙動を示すことが分かった。酸素濃度が1%以上になると、塩化物イオンの濃度に関係せずにカソード反応は限界電流値を示す領域があらわれ、またアノード反応のターフヱル勾配は、ほぼ同じ値を示した。酸素濃度および塩化物イオン浪度の異なる組み合わせにより、腐食の律速段階は変化することが明らかになった。 ○大深度地下模擬環境における炭素鋼の腐食モニタリングとその腐食特性 交流インピーダンス法による金属構造物の腐食モニタリング技術を開発するため、実験室での地下模擬環境中で炭素鋼の腐食モニタリングを行った緒果、各条件下でインピーダンス値は再現性良く測定され、交流インピーダンス法は腐食を予測するのに有効であることがわかった。また、酸素および塩化物イオンが炭素鋼の腐食に大きな影響を及ぼすことを示した。腐食・防食の立場から、構造物の施工時から、鋼材の腐食速度の経時変化の測定と合わせて環境因子のモニタリングが可能になれば、信頼性の高い防食対策を施すことが可能となる。また水溶液中と物質移動の制限のあるシリカ中でのインピーダンス特性についても検討し、その違いを明にした。
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[Publications] 李 鍾楽, 西方 篤, 水流 徹: "大深度地下模擬環境における炭素鋼の腐食モニタリングとその腐食特性"第49回材料と環境討論会講演集. Vol.491. 175-178 (2002)
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[Publications] Jongrark Lee, Atsushi Nishikata, Tooru Tsuru: "Monitoring of Underground Corrosion of Carbon Steel Using AC Impedance Method"Proceeding of Japan -Chaina Joint Seminar on Marine Corrosion. 170-177 (2002)
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[Publications] 李 鍾楽, 西方 篤, 水流 徹: "交流インピーダンス法による地下模擬環境中の炭素鋼の腐食モニタリング"電気化学会創立70周年記念大会講演要旨集. (2003)