2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01235
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 修啓 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 教育史 / 博物館史 / 社会教育 / 通俗教育 / 教育博物館 / 手島精一 / 内国勧業博覧会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学校教育と地域社会を結びつける機関として、学術研究の発展を公開する機関として、その今日的役割が期待されている博物館の教育活動を歴史的文脈から考察することである。本年度の研究課題は、明治期の主要な教育博物館であった東京教育博物館との比較から、全国的な教育博物館の活動状況を分析することである。その東京教育博物館の設立事情などを考慮すれば、明治期に開催された内国勧業博覧会との関連に注目することは、有効な方法であると判断された。 東京教育博物館は、1877年開催の第一回内国勧業博覧会にあわせて東京の上野公園内に開館した。その後、1889年に東京教育博物館は湯島に移転し、一時閉館したが、第三回内国勧業博覧会の開催にあわせて1890年4月より再公開された。博覧会の開催とともに開館したばかりでなく、東京教育博物館では、勧業的な内容や学校教育の普及を目指す通俗的な教育が実施されていた。そして、この時期に東京教育博物館で活躍していたのが手島精一であった。手島の社会教育論、通俗教育論は、明治初期、中期にその大枠が形成されており、明治後期に至るまでその内容は一貫していた。 この研究成果は、学会発表原稿「明治期の博覧会にみる社会教育概念の変遷」(日本社会教育学会第49回研究大会、北海道大学、2002年10月5日)として公開された。 また、昨年度と今年度の研究実績、およびこれまでの成果をもとに執筆した学位請求論文「明治期における教育博物館の発展と変容-東京と地方の教育博物館における教育普及活動にそくして-」が受理され、本年2月付けで名古屋大学より博士(教育学)の学位を授与された。
|