2002 Fiscal Year Annual Research Report
新月満月祭の研究---ヴェーダ祭式体系及びヴァードゥーラ派について---
Project/Area Number |
01J02718
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 智子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヴェーダ / シュラウタ祭式 / ヴァードゥーラ派 / 新月満月祭 / マラヤーラム写本 |
Research Abstract |
1.写本研究 マラヤーラム文字によって書かれたサンスクリット写本を、科研費によって購入した画像処理ソフト、MOディスク、CD-Rom、カードリーダなどを利用して研究し、サンスクリットテキスト「ヴァードゥーラシュラウタスートラ」2章の校訂作業を行った。また、新写本を既存写本と比較検討し、新写本が、ひとつの写本からまず写して、その後、別の写本を見ながら訂正と追加を書き加えたことを、明らかにした。購入した入力タブレットを利用することによって、写本画像への研究メモの書き込みが容易になり、研究が大きく進んだ。 2.サンスクリット文献による儀礼書の内容研究 ヴァードゥーラシュラウタスートラ第2章の読解を進めて、引用されるマントラがタイッティリーヤサンヒターとは若干異なることを再確認した。行為規定では、新月満月祭の本祭前日の夕方に、アグニホートラ祭とは別に、ミルク搾乳のあとアビドゥヨータナ,パリアグニカラナというアグニホートラに特有の行為が新たに行われるという特異な点を見いだした。この特異な行為の象徴的な意味は現在検討中である。また、第3章の冒頭「祭主の規定」を読み進め、第2章の内容と合わせることでヴァードゥーラ派の新月満月祭を再現しつつある。購入したUSBフラッシュカードリーダー・ライターを利用することによって、WindowsマシンからMacマシンへのデータ交換が容易になり、研究者との情報交換が一層進んだ。また、謝金によって作成されたプログラムによって、サンスクリットの表記が簡単になり、研究成果の出力の時間が大きく短縮された。
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