2002 Fiscal Year Annual Research Report
円板上の同相写像から定まる、三次元球面上の流れの周期軌道のなす絡み目について
Project/Area Number |
01J02786
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 英子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | テンプレート / 結び目 / 絡み目 / 組みひも / 周期軌道 / 擬アノソフ同相写像 / ファイバー絡み目 |
Research Abstract |
1.一般に、3次元球面内のファイバー絡み目Lが与えられると、Lの補空間S^3\L上にはLのfibrationから定まる流れが得られる。Lがuniversalであるとは、Lのfibrationから定まる任意の流れが全ての絡み目⊂S^3を流れの周期軌道の和として実現することとする。universalなファイバー絡み目の例は、R. Ghristによる組みひも(σ_1σ_2^<-1>)^n(n【greater than or equal】2は任意の整数)を閉じて得られるファイバー絡み目の族のみであったが、我々はこの族を含むファイバー絡み目の族がuniversalであることを示した。特に、トーラス結び目でないファイバー2橋結び目は我々が構成した族に属すことが明らかになった。1の結果については現在投稿中の以下の論文で述べた。 R.Ghrist and E.Kin, Flowlines transverse to fibred knots and links, preprint. 2.一般に、円板上の同相写像fの周期軌道から、恒等写像とfを結ぶアイソトピーを経由することによって組みひもが得られる。このようにして得られる組みひもは、periodic, reducible, pseudo-Anosovの3つのタイプに分類される。組みひもがpseudo-Anosov成分をもつreducibleタイプかpseudo-Anosovタイプであることが判定できれば、同相写像の大域的な情報がある程度復元できるため有効である。一方Boylandによって、周期軌道から得られる組みひもの集合には半順序構造が入ることが示された。写像の分岐を理解する上で半順序構造を決定することは重要であるが、その構造は十分に明らかにされていない。本研究では、pseudo-Anosov typeの組みひもの族を与え、その族に属す組みひもの間に成り立つ半順序関係を示した。2の結果については論文を準備中である。 3.13年度の研究で得られた全ての絡み目型を導く一般化馬蹄形写像の決定に関する結果は、現在投稿中の以下の論文で述べた。 M.Hirasawa and E.Kin, Determination of generalized horseshoe maps inducing all link types.
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