2002 Fiscal Year Annual Research Report
三量体Gタンパク質G12ファミリーによる神経機能調節の研究
Project/Area Number |
01J03814
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 賀章 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | G12ファミリー / PP5 / Rho / yeast two-hybrid / 神経可塑性 / 細胞膜移行 |
Research Abstract |
G12ファミリーの新規エフェクター、セリン・スレオニンフォスファターゼ5の同定とその活性制御機構の解析 三量体Gタンパク質G12ファミリーは、Rhoを介した細胞骨格調節作用がよく知られているが、その多彩な機能の全体像は分子レベルであまり解明されていない。そこで、yeast two-hybrid法を用いて新たなエフェクター分子を同定することを試みた。 常時活性型Gα12、Gα12QLをbaitにしてラット脳cDNA libraryをスクリーニングした結果、セリン・スレオニンフォスファターゼ5(PP5)をクローニングした。PP5はC末端のフォスファターゼドメインとN末端のtetratricopeptide repeat (TPR)ドメインからなる。抑制性の調節領域であるTPRドメインによりPP5のフォスファターゼ活性は非常に低い。Gα12QLは、PP5のTPRドメインに特異的に結合し、そのフォスファターゼ活性を約2.5倍に上昇させた。アラキドン酸もPP5を活性化するが、Gα12QLはアラキドン酸と協調的にPP5を活性化した。TPRドメインを欠失したフォスファターゼドメインは高いフォスファターゼ活性を示すが、Gα12QLによる活性上昇はみられなかった。また、PP5は通常、細胞質に存在するが、細胞膜で働くGα12QLと共発現させると、PP5は細胞質から細胞膜へと移行した。 Gα12はPP5のTPRドメインに結合し、そのフォスファターゼ活性をあげることがわかり、この新規のG12-PP5の経路が生体内で重要な役割を担っていることが考えられる。
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